エリートの論理に気を付けろ!
1 大学論
久しぶりに教育(Education)カテゴリの記事を書こうと思う。実は、前々からいつか書こうと思っていたことなのだけれど、それほど深刻な話でもないので、心の片隅に放置してきた話題である。
教育や大学について語るブロガーやYouTuberの極論についてである。
理工学部や医学部でないと、大学に進学する意味はないと強硬に主張する人たちがいる。
そういう主張が間違っていると糾弾したい訳ではない。
そういう主張を聞いたときに、そういう主張が意味するところをある程度、客観的に捉える必要があると僕は思う。
2 エリート
誤解を恐れずに端的に言うと、そういう主張はエリートの論理だと思う。日本の大学進学率をネットで検索してみると、だいたい50%くらいである。
そもそも大学に進学する人の割合が、全体の半分程度なのである。
そして、文系と理系の割合は、7:3で文系の方が多い。
さらに、大学と言っても、日本全国にいろいろな大学がある。
地方にある大学もあるし、理系の通信制大学だってある。
医学部でなくても、それなりに有名な大学の理系学部に進学した人々は、この国のいわゆるエリート層と言える。
そういう人たちが、大学に進学するなら理系学部の方がよいと断定するのは、エリートの論理だろう。
エリートになりたければそうしよう、そんな含意を読み取れることに留意した方がよいと思う。
3 ノンエリート
エリートを批判するためにこの記事を書いている訳ではない。社会学などの分野では、ノンエリートという容赦のない言葉を使って、エリートでなくその他大勢の普通の人々に対して、どのような(キャリア)教育をするべきか正々堂々と議論されている。
医学部や理工学部、あるいは有名大学、難関大学を信奉し、その他の学部、大学に進学することに意味がないという極論に対しては、そういう社会的な背景を理解した上で摂取する必要があると思う。
往々にして、そういう過激な極論は、ブログであればPV、YouTubeであれば再生数稼ぎのために、煽り成分が多めに配合されている。
気を付けろ!(長井秀和風に叫ぼう。)