至高の学問。
1 複雑な世界と至高の学問
誤解を恐れずに言おうと思う、政治学こそ至高の学問であると。世界は複雑である。
複雑な世界で均衡が保たれているように見えるものも、歴史の流れの中で一時的にバランスしているということだと思う。
最小の共同体である家族関係にさえ、バランスがある。
そして、学校では友だちとの関係に悩み、就職すれば社内政治に翻弄される。
転職する理由の多くは、人間関係であるらしい。
政治学は、世界の複雑さを受け入れ、直視する勇気を与えてくれる。
2 皇后様の御言葉
「そして最後にもう一つ,本への感謝をこめてつけ加えます。読書は,人生の全てが,決して単純でないことを教えてくれました。
私たちは,複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。
人と人との関係においても。国と国との関係においても。」
(第26回IBBYニューデリー大会(1998年)における皇后陛下の基調講演より)
3 至高の学問は役に立たない
「一般的には、法律学や医学などの学問を身につけることが、人生の成功を得るうえでより確かな道であるというのが、世の常識であろう。
これに対して政治学は、とくに専門的で有用性の高い能力を養う学問ではない。
現に政治学を勉強したことで得られる職業資格などはほとんどないのである。
したがって世の親たちは、ふつう自分の子どもが政治学を学ぶことをそれほど喜ばないのである。
この本の読者は、これからそのような学問を学ぼうとしていることになる。」
(『現代政治学 第4版 有斐閣アルマBasic』2ページ)
現に政治学を勉強したことで得られる職業資格などはほとんどないのである。
したがって世の親たちは、ふつう自分の子どもが政治学を学ぶことをそれほど喜ばないのである。
この本の読者は、これからそのような学問を学ぼうとしていることになる。」
(『現代政治学 第4版 有斐閣アルマBasic』2ページ)