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戦略の失敗を戦術で補うことはできない。

1 起業の敗因分析

・個人事業主としての意地、行政書士としての意地、そしてこのブログ。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2018/07/httpstanakah17191928.html
 気が向いたので敗因分析のような記事を書こうと思うけれど、僕の場合は起業の敗因分析と言うよりも、人生の方針や価値観の問題に過ぎないのかもしれない。
まず、端的に言えば、起業で成功するという意志が最初から欠けていた。

そもそも行政書士登録が、20代の頃の夢(コンサルタントになりたいとか、NPOなど社会貢献活動を実践してみたいとか)を形だけでも実現するという動機だった。
よって極端な話、資格登録してホームページを開設して社会的起業の形式を整えた時点で、夢は形式的には実現されたということになる。

これは本当に正直な告白で、行政書士として収益を計上できなくても、パートの副業で生活することになっても、それはそれで仕方ないとさえ思っていたし、前半は実際にそのように活動し生活していた。

2 (個人)事業主として成功するには

 それでは、形式的にではなく、個人事業主として実質的に成功するために、本当は何を考え何をするべきだったのだろうか。
結論を要約して、この記事のタイトルにしてみた。
「戦略の失敗を戦術で補うことはできない。」

「東三河に居住したい」という価値観と前述の20代の頃の夢が融合して、「東三河で起業する」という結論に至ったのだけれど、「東三河で起業する」ことを「東三河の市民を顧客にする」ことと深く考えることなく短絡的に結び付けたことが失敗だった。
別に「東三河の市民を顧客にする」こと自体が間違っている訳ではないと思う。
実際に、地縁、血縁など地域におけるつながりを大切にして、地道に商売を実践し継続している方々もたくさんいる。

ただ、僕の場合は、新しいものを作り出すこと、新しい営業方法や形態を模索し確立することを目標にしたかったので、事業を成功させるためには「全国(あるいは全世界)の市民を顧客にする」ことができるよう戦略を定めるべきだった。

3 数と確率の問題

 政治経済的には、地方の人口減少と衰退の潮流は止まらないだろうし、地方どころか日本全体で少子高齢化が深刻化し人口が減少している。
分かりやすく説明するために例示すると(数字自体は架空のもの)、ホームページなどの広告を見た人が顧客になる確率を0.01%とすると、1万人の市民を相手にすれば顧客は1人確保できるかどうかだけれど、100万人の市民を相手にすれば100人の顧客候補が存在する計算になる。

田舎だからとか都市だからとか地方だからとか、そういう価値観に関係なく、これは単純に数と確率の問題に過ぎない。
事業の成功が目的なら、成功する確率を極大化することを優先的に考えるべきだろう。
これは商売を真剣にしている人たちには、自明のことなのかもしれない。

よく「なぜこのお店はつぶれないのか」みたいな番組が、テレビで時々放送されている。
地元の店舗での売上はほとんどないけれど、売上の大部分はインターネットでの受注や、都市の市民や企業との契約であるというのは、本当によくあるパターンだ。

4 夢の先にあるもの

 上記のことは試行錯誤の中で、クラウドワークスでの仕事の受注を契機に、東京の法律家やエンジニアの方々と交流できることを体感して、何となく理解していたのだけれど、最近あることをきっかけに腹に落とすことができた。
行政書士という肩書に未練はないのだけれど、行政書士を廃業してしまうと人生の目標がなくなってしまうので、次の人生の夢を見出すことができるのか、目標をどう設定するべきか思い悩んでいた。

インターネットでどのような仕事があるのか特に目的もなく漫然と検索していたら、オンライン講師の仕事を発見した。
オンライン家庭教師、オンライン日本語教師など、オンラインで講師の仕事ができるのだ。

 また、講師職だけではなく、自宅からオンラインで勤務できるカスタマー・サポートのような仕事の募集もあった。
そのような募集を見て、このようなプラットホーム、制度や仕組みを考えて構築するような大きな起業を手掛けることは僕には無理かもしれないけれど、既存のプラットホームを利用して先進的な仕事や働き方を実践することは可能かもしれないと思った。

オンライン上で授業、講義を提供するというアイディアは、既に数年前から各種団体や企業、個人(事業主)が先行していて、僕一人の個人的な努力ではキャッチアップさえできないと落胆した記憶がある。
しかし、今は開き直って、先行する既存のプラットホームを利用して、個人的に何か実践できればそれでよいかと思い始めている。

5 「やってみなはれ」の精神

・やってみないと分からないこと。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2018/07/blog-post_86.html
 行政書士による見守りサービスという事業は、今でもそれなりに意義のあるものだと思っている。
数か月とか数年後に実施すれば成功するかもしれないし、突然社会的に脚光を浴びて流行するかもしれないし、広告宣伝を工夫し営業活動の手法を変えれば成功するかもしれないし、極端な話、誰か別の人が実施すればただそれだけで成功するかもしれない。

事業の成功というか、そもそも我々の人生自体、運不運という言葉では言い表せないような、不思議な力が作用して死ぬまで翻弄される運命にある。
地縁、血縁などの人の縁や時代の潮流は本当に不可思議なものであり、今の時代はSNSで全世界の人間とコミュニケーションし、協働することさえできる。
月並みな言葉だけれど、起業しようがしまいが、どのような職業を選択しようがしまいが、人生は一度きり、今しかできないことがあるし、いつからでも挑戦することができる。

挑戦すること自体が難しいのではなく、挑戦するに値するものを自分自身で見つけ出すことが難しい。
"Where there is a will, there is a way."
他人の人生を参考にするのは構わないけれど、他人の人生と自分の人生を比較することに、どれほどの意味があるのだろうか、どのような意義があるというのだろうか。

6 「ステイ・ハングリー、ステイ・フーリッシュ」

・人生は旅である。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2016/02/blog-post_20.html
・旅そのものが報酬である。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2018/01/blog-post_17.html

"Stay Hungry. Stay Foolish."
「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳(日本経済新聞)

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