第128条【共和国大統領の権限】
第4編【行政府】
第1章【共和国大統領及び副大統領】
第2節【権限】
第128条 共和国大統領は、国内及び国外の政治、並びに文民及び軍事の行政を指揮し、軍、国家警察及びその他の国の治安部隊の最高責任者である。(1) 国家元首として、以下の事項について責任を負う。:
(a)国家の厳粛な行為を主宰すること。
(b)法律及び国の議会の決議を公布及び公表し、その忠実な執行を保障すること。必要に応じて、政令、規則及び指示を発行するものとする。
(c)軍及び警察の管轄下にある隊員を任命又は解任すること。
(d)国際条約又は協定を締結及び調印し、その承認を得るために国の議会に提出すること。これが得られない場合は発効することなく、共和国を拘束しないものとする。
(e)法律に従い、軍及び国家警察に関するあらゆる事項を処理すること。自ら又は関連する省庁を通して指揮し、常に最高指揮権を保持するものとする。その部隊を編成し、公共サービスのために展開することができる。
(f)外国又は外部勢力による武力攻撃が現実に行われ、又は急迫している場合、国家の正当な防衛を実行及び保障するために必要な措置を講じること。講じた措置について国の議会に報告し、必要に応じて国防事態の宣言を要求するものとする。
(g)国の議会が閉会中の場合に、この憲法の第262条から第266条までの規定に従い、非常事態を宣言すること。
(h)この憲法の第62条(6)の規定に違反し、公共の秩序、国家の安全、公共サービス若しくは公益事業の正常な運営を妨げ、若しくは脅かし、又は経済活動の発展を阻害し、この憲法の第262条から第266条までに規定する事態に該当しない場合に、必要な臨時の警察措置及び治安措置を講じること。
(i)国家の安全保障に関する空、海、河川、陸、軍事及び警察の区域のあらゆる事項について、各省庁及び行政部局が事前に調査を行った上で、法律に基づいて規定を設けること。
(j)法律及び国際協定に従い、毎年2月27日、8月16日及び12月23日に恩赦を与えること。
(k)公共の秩序又は国家の安全保障を棄損する、又はその恐れがある活動を行う外国人を、法律に従って逮捕又は追放すること。
(l)公共の利益に適う場合に、外国人の入国を禁止すること。
(2)政府の長として、以下の権限を有する。:
(a)大臣、副大臣、及び自由任用の役職である公務員、又はこの憲法若しくは法律が認めるその他の国家機関に任命権が帰属しない公務員を任命し、辞任を受理し、解任すること。
(b)法律に従い、国の自治機関及び分権機関並びに自治団体及び分権団体の長を任命し、辞任を受理し、解任すること。
(c)必要と認める場合に、公式の居所を変更すること。
(d)憲法に従い、国家歳入の配分、国有財産の譲渡、融資の調達、又は一般的な免税に関する条項を含む契約を締結し、国の議会の承認を得ること。共和国大統領が議会の承認を得ることなく締結できる、この種の契約及び免除の上限額は、公共部門の給与の最低額200とする。
(e)国家歳入の適切な徴収及び誠実な運用を保障すること。
(f)毎年2月27日の第1回通常会の冒頭に、各省庁の報告書を国の議会に提出し、前年度の行政について報告すること。
(g)毎年10月1日までに、翌年の国家一般予算法案を国の議会に提出すること。
(3)国家元首及び政府の長として、以下の事項について責任を負う。:
(a)元老院の承認を得て、外国に派遣される大使及び国際機関の常駐代表団の長を任命し、外務に関する法律に従い、その他の外交団の構成員を任命し、辞任を受理し、解任すること。
(b)外交交渉を行い、外国の国家元首及びその代表団を接受すること。
(c)ドミニカ国民がドミニカ領内で各国政府又は国際機関の公職を執行すること、並びに外国政府から授与された勲章及び称号を受領及び使用することを許可又は拒否すること。
(d)地方自治体が不動産を譲渡することを許可又は拒否すること。また、不動産又はムニシピオの収入を保証する契約を締結する場合に、これを承認又は拒否すること。
(e)憲法及び法律に規定するその他の権限。
・ドミニカ共和国憲法(2015)【私訳】へ戻る。