第133条【法律の発議権】、第134条【可決された法案の処理】、第135条【大統領の承認】、第136条【大統領の異議がない場合】、第137条【大統領が拒否した場合】、第138条【大統領が違憲と認める場合】、第139条【法律の公布期限】、第140条【法律の公布及び公表とその効力】、第141条【法律の条文に誤植がある場合】、第142条【法律の解釈、改正及び廃止の手続き】、第143条【否決された法案の再提出の禁止】
第6編【政府機関、権限及び管轄権】
第1章【立法機関】
第2節【法律、その形成、公布及び施行】
第133条 以下の者は、法律の発議権を独占的に有する。:(1)議員
(2)共和国大統領。大臣を通して行うものとする。
(3)最高裁判所。司法機関、公証人及び弁護士の職務、並びに裁判所の管轄権及び権限に関する事項について行うものとする。
(4)ムニシピオ議会。ムニシピオの租税に関する事項について行うものとする。
(5)中央アメリカ議会。その構成員であるエルサルバドル国の議員を通して、この憲法の第89条に規定する中央アメリカ地峡の統合に関する事項について行うものとする。
中央アメリカ議会を構成するエルサルバドル国の議員は、同様の方法で、同様の事項について発議権を有する。
第134条 可決されたあらゆる法案は、理事会の構成員の過半数の署名を得るものとする。1部は議会に保管し、2部は共和国大統領に送付するものとする。
第135条 いかなる法案も、審議及び可決の後に、遅くとも10日以内に共和国大統領に送付される。大統領に異議がなければ、これを承認し、法律として公布されるものとする。
共和国大統領の承認は、この憲法の第131条(1)、(2)、(3)、(4)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(32)、(34)、(35)、(36)及び(37)の場合、並びに議会が審理する予審の場合は、必要ではない。
第136条 共和国大統領は、受領した法案に異議がないと認める場合、2部に署名し、一方を議会に返送し、他方を書庫に保管し、関連する公共機関により、その条文を法律として公布するものとする。
第137条 共和国大統領は、法案を拒否する場合、その受領から8日以内に、拒否の根拠となる理由を明示して、これを議会に差し戻す。明記された期間内に差し戻されなかった場合、これを承認したものとみなされ、法律として公布されるものとする。
拒否権が行使された場合、議会は法案を再審議する。議員の3分の2以上の賛成によって承認した場合、共和国大統領に再送付し、大統領はこれを承認し、その公布を命じるものとする。
意見を付されて差し戻された場合、議会はこれを審議し、第123条に規定する多数決によって適当と認める決議を行う。共和国大統領に送付し、大統領はこれを承認し、その公布を命じるものとする。
第138条 共和国大統領が違憲と認める法案が差し戻され、立法機関が前条に規定する方法でこれを承認した場合、共和国大統領は、3日以内にこの問題を最高裁判所に付託し、同裁判所が双方の理由を審理した後に、遅くとも15日以内に合憲か否かを決定するものとする。裁判所が法案を合憲と決定した場合、共和国大統領はこれを承認し、法律として公布する義務を負う。
第139条 法律の公布期限は5日とする。共和国大統領がこの期間内に公布しない場合は、立法議会議長が官報又は共和国において大部数を発行するその他の新聞に公布するものとする。
第140条 いかなる法律も、その公布及び公表の後でなければ拘束力を生じない。恒久的な性質を有する法律が拘束力を生じるには、公布後8日以上経過することを要する。この期間は延長することができる。ただし、制限することはできない。
第141条 法律の条文の印刷に明らかな誤植がある場合は、遅くとも10日以内に再発行するものとする。最後に発行されたものが法律の正本とみなされ、その有効期間は新たに発行された日から起算される。
第142条 法律の解釈、改正又は廃止は、その制定と同様の手続きに従うものとする。
第143条 法案が否決された場合又は承認されなかった場合、その後6か月以内にこれを提出することはできない。
・エルサルバドル共和国憲法(1983)【私訳】へ戻る。