第144条【条約の効力、条約は法律に優先する】、第145条【憲法に抵触する条約の批准】、第146条【締結及び批准できない条約、付与できないコンセッション】、第147条【国境問題を仲裁に委ねる条約又は協定の批准】、第148条【融資及び債務保証の権限を付与する場合】、第149条【条約の違憲宣言】
第6編【政府機関、権限及び管轄権】
第1章【立法機関】
第3節【条約】
第144条 エルサルバドルが他国又は国際機関と締結する国際条約は、同条約及びこの憲法の規定に従い、その発効時に共和国の法律を構成する。法律により、エルサルバドルにおいて有効な条約を修正又は廃止することはできない。条約と法律が矛盾する場合は、条約が優先する。
第145条 憲法の規定が何らかの形で制限され、又は影響を受ける条約は、それに関連する留保付きで批准する場合を除いて、批准することができない。留保された条約の規定は、共和国の法律となることはない。
第146条 何らかの形で、政府の形態を変更し、又は領域の保全、共和国の主権及び独立、若しくは人間の基本的な権利及び保障を棄損若しくは減殺する条約を締結若しくは批准し、又はコンセッションを付与してはならない。
前段の規定は、サルバドル国が外国の裁判所の管轄権に服する、国際条約又は国内外の政府若しくは企業との契約に適用される。
前述の規定は、条約及び契約のいずれにおいても、紛争が生じた場合に、サルバドル国が国際的な仲裁又は裁判に決定を付託することを妨げるものではない。
第147条 共和国の境界に関する問題を仲裁に委ねる条約又は協定を批准するには、議員の4分の3以上の賛成を要する。
行政機関が締結する国家の領域に関する条約又は協定も、議員の4分の3以上の賛成を要する。
第148条 立法議会は、重大かつ緊急の必要がある場合、共和国の内外において任意の融資を契約する権限を行政機関に付与する。また、国又はムニシピオの公益団体が契約した債務を保証する権限を付与するものとする。
この規定に基づき締結された契約は、立法機関に提出されるものとする。議会は、議員の3分の2以上の賛成がなければ、承認することができない。
融資の実行又は契約を認可する政令は、資金の使途及び一般的に、運用のあらゆる必須条件を明示するものとする。
第149条 憲法の規範に反する条約の規定の適用不能を宣言する権限は、司法を運営する権限の範囲内で裁判所が行使するものとする。
条約の違憲宣言は、一般的かつ拘束力ある形で、法律、政令及び規則についてこの憲法が規定するのと同様の方法で行うものとする。
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