第146条【国民議会、議員選挙】、第147条【国民議会の構成】、第148条【議員の選挙日及び任期】、第149条【国民議会の開催、開催地、通常会及び臨時会】、第150条【議員の活動、政党及び選挙人の代表】、第151条【政党による議員罷免の要件及び手続き】、第152条【裁判会】、第153条【議員の要件】、第154条【議員の発言表決の無答責】、第155条【議員に対する訴訟の提起】、第156条【議員の兼職禁止】、第157条【議員の報酬】
第5編【立法機関】
第1章【国民議会】
第146条 立法機関は、国民議会と称する1つの団体で構成される。その議員は、この憲法の規定に従い、政党の指名又は国民の直接投票による自由な指名によって選出される。自由な指名を行うために法律で定める要件及び手続きは、適用される範囲において、政党の登録及び政党の指名の提出に必要なものと同等かつ比例するものとする。第147条 国民議会は、法律に従い、以下の規定に従って選出される、71人の議員によって構成される。:
(1)比例代表制の原則を保障するために、単一及び複数の選挙区を設ける。2人以上の議員が選出される郡は、1つの選挙区を構成するものとする。ただし、パナマ郡については、3人以上の議員が選出される選挙区とする。
(2)選挙区は、最新の選挙人名簿に登録されている、選挙人の人数に比例して構成されるものとする。
(3)各コマルカ及びDarién県は、この規定の施行時における議員数を選出する責任を負うものとする。
(4)選挙区を設置する場合、選挙人を選挙区に分割するための基本的な基準として、国家の政治的及び行政的な区画、領域的な近接性、人口の集中、近隣関係、通信経路、並びに歴史的及び文化的な要素を考慮するものとする。
各議員には、同じ日に正規の議員と共に選出される、補欠議員を置くものとする。この補欠議員は、正規の議員が不在の場合にその職務を代行する。
選挙裁判所は、設置される協議機関の枠内で、法的に認められる政党と協議した後に、この憲法の規定に従い、議員選挙の基礎となる選挙区を定める法案を作成し、国民議会に提出するものとする。
第148条 議員は、共和国大統領及び副大統領の通常の選挙と同じ日に選挙され、任期は5年とする。
第149条 国民議会は、事前に召集されることなく、共和国の首都において独自の権限で開催される。会期は1年のうち8か月間とし、それぞれ4か月間の通常会を2回に分けて開催する。これらの会期は、7月1日から10月31日まで、及び1月2日から4月30日までとする。
国民議会は、その議員の多数決で、国内の他の場所で開催することができる。
また、国民議会は、行政機関が召集する場合、その指定する期間、臨時会を開催するものとする。行政機関がその審議のために提出する事項のみを審議する。
第150条 議員は、国益のために活動し、国民議会において、それぞれの政党及び選挙区の選挙人を代表するものとする。
第151条 政党は、その指名した正規の議員及び補欠議員を罷免することができる。ただし、そのために、以下の要件及び手続きに従うものとする。:
(1)罷免の理由及び適用される手続きは、党規約に定めるものとする。
(2)その理由は、党規約及び党の思想的、政治的又はプログラム的な綱領に対する重大な違反に関連するものとする。これは、指名日前に選挙裁判所の決議により、承認されたものでなければならない。
(3)議員又は補欠議員が、裁判所によって言い渡される執行力ある判決により、5年以上の拘禁刑に相当する悪意犯罪で有罪判決を受けた場合も、罷免事由となる。
(4)関係者は、党内で2回の聴聞を受け、弁明する権利を有する。
(5)罷免を採択した政党の決定は、不服申立ての対象となる。不服申立ては、選挙裁判所のみが審理し、これによって停職となるものとする。
(6)政党は、罷免を適用するために、手続きの開始前に、その選挙区の選挙人の投票の機構を設けることができる。
また、政党は、簡易な手続きにより、離党した正規の議員及び補欠議員を罷免することができる。
選挙区の選挙人は、選挙裁判所に対し、その選挙した自由指名の正規の議員又は補欠議員の罷免を請求することができる。そのために、法律の定める要件及び手続きに従うものとする。
第152条 裁判会は、その開催時期及び国民議会の召集方法にかかわりなく、国民議会の裁判権の行使のために開催されるものとする。その開催は、立法府の継続性及び任期を変更するものではない。議会が係属中の事案について、判決した場合にのみ終了する。国民議会は、裁判上の職務を執行するために、事前に召集することなく、独自の権限で開催することができる。
第153条 議員になるためには、以下の要件を満たさなければならない。:
(1)出生によるパナマ人、又は帰化によるパナマ人で、国籍の取得後15年間、パナマに居住していること。
(2)現役の市民であること。
(3)選挙日に21歳以上であること。
(4)裁判所によって言い渡される執行力ある判決により、5年以上の拘禁刑に相当する悪意犯罪で有罪判決を受けたことがないこと。
(5)指名の直前1年間以上、その選挙区に居住していること。
第154条 国民議会の議員は、その職務を執行するために行った意見及び投票について、法的責任を負わないものとする。
第155条 国民議会の議員は、いかなる犯罪又は警察上の行為の嫌疑についても、最高裁判所大法廷によって捜査及び起訴されるものとする。そのために、国民議会の許可を要しない。予防拘禁又はその他の予防措置は、最高裁判所大法廷が決定する。
正規の議員又は補欠議員に対し、民事訴訟を提起することができる。ただし、最高裁判所大法廷の事前の許可なく、その財産に対して差押え又はその他の保全措置を命じることはできない。ただし、家族法及び労働法の義務の遵守を保障するための措置は例外とする。
第156条 正規の議員又は補欠議員は、在任中、報酬を伴う公職に就くことができない。その場合、正規の議員又は補欠議員は欠員となる。自治団体又は半自治団体の大臣、副大臣、局長又は部長、及び外交官の任命は例外であり、任命を受諾した場合、その役職に就いている間だけ、一時的に欠員となる。公的又は私的な教育施設において教員又は講師の職務を執行することは、議員の資格と両立するものとする。
第157条 議員は、法律の定める報酬を得る。この報酬は、国庫が負担する。ただし、その増額は、これを承認した国民議会の任期終了後にのみ、効力を生じるものとする。
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