第159条【各省庁の運営、大臣及び副大臣、国家文民警察】、第160条【国務大臣及び副大臣の要件】、第161条【国務大臣及び副大臣の欠格事由】、第162条【国務大臣及び副大臣並びに国の公安機関及び情報機関の長の任命、解任、辞任の受諾及び休暇の付与】、第163条【所管の大臣及び副大臣の副署及び通知】、第164条【権限を超えて発行された政令、協定、命令及び決定は無効である】、第165条【大臣又は代行者及び自治権を有する公共機関の長の立法議会への出席及び答弁】、第166条【大臣会議の設置】、第167条【大臣会議の任務】
第6編【政府機関、権限及び管轄権】
第2章【行政機関】
第159条 行政事務を運営するために、必要な省庁の長を置き、これらの者に行政の各種分野を分配する。各省庁の長は大臣が務め、1人以上の副大臣の補佐を得て活動する。副大臣は、法律の定める場合に大臣の職務を代行するものとする。国防と公安は、それぞれ別の省庁とする。公安は、国家文民警察が責任を負う。軍から独立した専門機関であり、いかなる党派的な活動にも関与してはならない。
国家文民警察は、秩序、安全及び治安を保障する都市及び農村の警察職務、並びに犯罪捜査手続における連携に責任を負う。全ての法律に従い、人権を厳格に尊重するものとする。
第160条 国務大臣又は副大臣になるには、出生によるサルバドル人で、25歳以上で、世俗の状態にあり、道徳及び教育について認められ、市民権を行使し、任命前の6年間にその状態にあることを満たさなければならない。
第161条 この憲法の第127条(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)に該当する者は、国務大臣又は副大臣になることができない。
第162条 共和国大統領は、国務大臣及び副大臣並びに国の公安機関及び情報機関の長の任命、解任、辞任の受諾及び休暇の付与を行うことができる。
第163条 共和国大統領の政令、協定、命令及び措置は、その所管の大臣又は副大臣によって副署及び通知されるものとする。この要件が満たされない場合は、法的効力を有しない。
第164条 行政機関の公務員が、この憲法の定める権限を超えて発行した政令、協定、命令及び決定は全て無効とする。それが立法議会の承認を得て発行されたものであっても、これに従うことを要しない。
第165条 大臣又はその職務代行者及び自治権を有する公共機関の長は、立法議会に出席し、質問に答弁するものとする。
質問のために召喚された公務員が、正当な理由なく出席を拒否した場合、その事実をもって解任されるものとする。
第166条 共和国大統領及び副大統領並びに国務大臣又はその代行者によって構成される、大臣会議を設置する。
第167条 大臣会議の任務:
(1)行政機関の内部規則及び独自の規則を制定すること。
(2)政府の一般計画の策定。
(3)歳入及び歳出の予算案を作成し、新しい会計年度が開始する3か月前までに立法議会に提出すること。
また、行政の各種分野の項目間の振替の場合に、その予算の修正を審議すること。
(4)立法議会が閉会中の場合、戦争、災害又は治安の重大な混乱に起因する必要を満たすために、予算に含まれていない金額の支出を許可すること。ただし、その措置の根拠となった事由について、直ちに同議会の理事会に報告し、これが開催された後に、対応する予算計上を承認するか否かを決定するものとする。
(5)この憲法の第29条に規定する憲法上の保障の停止を、立法議会に提案すること。
(6)立法議会が閉会中の場合に、この憲法の第29条に規定する憲法上の保障を停止及び回復すること。前者の場合、その措置の根拠となった事由及びこれに関して講じた措置について、直ちに、立法議会の理事会に報告しなければならない。
(7)共和国の利益のために必要な場合に、立法議会を臨時に召集すること。
(8)共和国大統領から審議のために提出される、あらゆる事項を審議及び決定すること。
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