第172条【司法機関の構成、権限及び予算、裁判官の独立】、第173条【最高裁判所の構成、裁判官の選任】、第174条【憲法法廷の設置及び構成】、第175条【第二審裁判所、第一審裁判所及び治安判事裁判所の設置】、第176条【最高裁判所裁判官の要件】、第177条【第二審裁判所裁判官の要件】、第178条【最高裁判所及び第二審裁判所の裁判官の欠格事由】、第179条【第一審裁判所裁判官の要件】、第180条【治安判事の要件】
第6編【政府機関、権限及び管轄権】
第3章【司法機関】
第172条 司法機関は、最高裁判所、第二審裁判所及び二次法によって設置されるその他の裁判所で構成される。憲法、民事、刑事、商事、労働、農事及び行政訴訟並びに法律の定めるその他の事項について、裁判を行い、判決を執行する独占的な権限を有する。司法機関の組織及び職務は、法律によって定めるものとする。
裁判官は、司法上の職務の執行において独立し、憲法及び法律にのみ服するものとする。
司法機関は、国家予算の経常収入の6%以上の年間配分額を受け取るものとする。
第173条 最高裁判所は、法律の定める人数の裁判官によって構成される。立法議会によって選任され、そのうちの1人を長官とする。この者を司法機関の長とする。
法律により、最高裁判所の内部組織を、その権限を各法廷に分配する方法によって定めるものとする。
第174条 最高裁判所に憲法法廷を設置する。法律、政令及び規則の違憲の主張、アンパロ裁判、ヘイビアス・コーパス、第138条に規定する立法機関と行政機関の間の紛争、及びこの憲法の第182条(7)に規定する事件の審理及び解決に責任を負うものとする。
憲法法廷は、立法議会によって任命される5人の裁判官によって構成される。裁判長は、最高裁判所の裁判官を選任する都度、議会によって選出される。裁判長は、最高裁判所及び司法機関の長とする。
第175条 各2人の裁判官によって構成される第二審裁判所、第一審裁判所及び治安判事裁判所を設置する。その数、管轄権、権限及び所在地は、法律によって定めるものとする。
第176条 最高裁判所裁判官になるには、出生によるサルバドル人で、世俗の状態にあり、40歳以上で、共和国の弁護士であり、道徳及び能力について認められ、第二審裁判官を6年間若しくは第一審裁判官を9年間務め、又は選任の10年以上前から弁護士資格を保有し、市民権を享受し、就任前の6年間にその状態にあることを満たさなければならない。
第177条 第二審裁判所裁判官になるには、以下の要件を満たさなければならない。:サルバドル人で、世俗の状態にあり、35歳以上で、共和国の弁護士であり、道徳及び能力について認められ、第一審裁判官を6年間務め、又は選任の8年以上前から弁護士資格を保有し、市民権を享受し、就任前の6年間にその状態にあること。
第178条 配偶者及び4親等内の血族又は2親等内の姻族である親族を、最高裁判所裁判官又は第二審裁判所裁判官に選任してはならない。
第179条 第一審裁判所裁判官になるには、以下の要件を満たさなければならない。:サルバドル人で、世俗の状態にあり、共和国の弁護士であり、道徳及び能力について認められ、治安判事を1年間務め、又は選任の2年以上前から弁護士資格を保有し、市民権を享受し、就任前の3年間にその状態にあること。
第180条 治安判事になるには、最低限、以下の要件を満たさなければならない。:サルバドル人で、世俗の状態にあり、共和国の弁護士で、21歳以上であり、道徳及び能力について認められ、市民権を享受し、就任前の3年間にその状態にあること。治安判事は、司法府の職制に含まれるものとする。
例外的な場合に、国家司法評議会は、弁護士でない者を治安判事として推薦することができる。ただし、その任期は1年とする。
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