第184条【国に対する裁判の審級管轄】、第185条【違憲による適用不能の宣言】、第186条【司法府の職制】、第187条【国家司法評議会の任務、司法研修所の組織及び運営、評議員の選任及び解任】、第188条【裁判官の兼職禁止】、第189条【陪審裁判】、第190条【フエロの禁止】
第6編【政府機関、権限及び管轄権】
第3章【司法機関】
第184条 国に対する裁判は、その事案に応じて、首都の第二審裁判所が第一審として審理し、最高裁判所の各法廷が第二審として審理するものとする。第185条 裁判所は、司法を執行する権限の範囲内で、判決を言い渡すべき場合に、憲法の規範に反する法律又はその他の機関の規定の適用不能を宣言する責任を負うものとする。
第186条 司法府の職制を定めるものとする。
最高裁判所裁判官は、立法議会によって選任される。任期は9年で、再任することができる。3年ごとに3分の1ずつ更新するものとする。立法議会は、事前に法律で定める特別な事由によって解任することができる。選任及び解任のいずれにおいても、議員の3分の2以上の賛成を要するものとする。
最高裁判所裁判官の選任は、法律の定める条件の下で、国家司法評議会が作成する候補者名簿から行われる。その半数は、エルサルバドルの弁護士を代表し、最も関連性の高い法思想の潮流を代表する団体から選出されるものとする。
司法府の職制に属する第二審裁判所裁判官、第一審裁判官及び治安判事は、その官職の安定を享受するものとする。
法律により、裁判官がその職務を自由かつ公平に、訴訟上いかなる影響も受けることなく執行することができるよう保護し、公正な報酬及びその職責に相応しい生活水準を保障する手段を提供するものとする。
法律により、司法職の採用の要件及び方法、昇任、異動、司法職に含まれる公務員の懲戒処分並びにその職制に固有のその他の事項について定めるものとする。
第187条 国家司法評議会は、最高裁判所裁判官、第二審裁判所裁判官、第一審裁判官及び治安判事の候補者を推薦する責任を負う独立機関である。
国家司法評議会は、裁判官及びその他の司法職公務員の専門訓練の向上を保障することを目的とする、司法研修所の組織及び運営に責任を負う。
国家司法評議会の評議員は、立法議会が、その議員の3分の2以上の適格多数決によって選任及び解任するものとする。
法律により、これに関する事項について定めるものとする。
第188条 裁判官の官職は、弁護士及び公証人の職務並びに国のその他の機関の公務員と両立しない。ただし、教職及び一時的な任務のための外交官の職務を除く。
第189条 陪審は、法律の定める普通犯罪の裁判のために設置されるものとする。
第190条 魅力あるフエロは禁止される。
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