第187条【大統領及び副大統領の休暇】、第188条【大統領の出国】、第189条【大統領が確定的に不在の場合】、第190条【大統領及び副大統領の報酬額の変更】、第191条【大統領及び副大統領の責任】、第192条【大統領の欠格事由】、第193条【副大統領の欠格事由】
第6編【行政機関】
第1章【共和国大統領及び副大統領】
第187条 共和国大統領及び副大統領は、閣僚評議会が認める90日以内の休暇により、その職務を離れることができる。90日を超える休暇は、国民議会の許可を要するものとする。共和国大統領の休暇中は、共和国副大統領がその職務を代行する。副大統領は、共和国大統領職代理の称号を有する。
何らかの理由で大統領の不在を副大統領が補えない場合、大統領職は、国務大臣の多数決によって選出される、国務大臣の1人が代行する。その国務大臣は、共和国大統領として必要な要件を満たしていなければならない。また、共和国大統領職代理大臣の称号を有する。
非就業日は、本条及び次条に規定する期間に含まれるものとする。
第188条 共和国大統領は、以下の場合、休暇を申請することなく、その都度出国することができる。:
(1)最長10日間までは、いかなる許可も要しない。
(2)10日を超えて30日以内の期間は、閣僚評議会の許可を得るものとする。
(3)30日を超える期間は、国民議会の許可を得るものとする。
大統領が10日を超えて不在の場合は、大統領職は副大統領が代行し、これが不在の場合は、この憲法の規定に従い、国務大臣が代行する。その職務の代行者は、共和国大統領職代理の称号を有する。
第189条 共和国大統領が確定的に不在の場合は、副大統領がこれに就任し、残りの任期を全うする。
副大統領が大統領職に就任した場合、副大統領職は、国務大臣の多数決によって選出される、国務大臣の1人が代行する。その国務大臣は、共和国副大統領として必要な要件を満たしていなければならない。
何らかの理由で大統領の確定的な不在を副大統領が補えない場合、大統領職は、国務大臣の多数決によって選出される、国務大臣の1人が代行する。その国務大臣は、共和国大統領として必要な要件を満たしていなければならない。また、共和国大統領職代理大臣の称号を有する。
大統領及び副大統領の確定的な不在が、大統領の任期満了の2年以上前に発生した場合、大統領職代理大臣は、4カ月以内の日に大統領及び副大統領の選挙を公示する。選挙で選出された市民は、公示から6カ月以内に就任し、残りの任期を全うする。その政令は、代理大臣が就任してから8日以内に発行されるものとする。
第190条 共和国大統領及び副大統領に法律で認められる報酬は、変更することができる。ただし、その変更は、次の大統領任期から効力を生じるものとする。
第191条 共和国大統領及び副大統領は、以下の場合にのみ責任を負うものとする。:
(1)憲法上の職務を逸脱した場合。
(2)選挙過程における暴力行為又は強要行為、国民議会の開催妨害、及び国民議会又は憲法の定めるその他の公共機関若しくは当局の職務の執行妨害。
(3)国家の国際的人格に対する犯罪又は行政に対する犯罪。
前2項の場合は、罰則は罷免とし、法律の定める期間、公職に就く資格をはく奪されるものとする。(3)の場合は、通常の法律が適用される。
第192条 以下の者は共和国大統領に選出されない。:
(1)選挙が実施される期間の直前3年間に、職務を執行したことのある大統領の確定的な不在により、その職務を代行するよう要請された市民。
(2)共和国大統領の4親等内の血族又は2親等内の姻族で、本条(1)に規定する市民の直前の期間に、その職務を代行した者。
第193条 以下の者は共和国副大統領に選出されない。:
(1)共和国副大統領の選挙がその任期後の期間である場合に、いずれかの時期に在任していた共和国大統領。
(2)共和国大統領の4親等内の血族又は2親等内の姻族。ただし、共和国大統領が在任していた期間の次の任期とする。
(3)選挙が実施される期間の直前3年間のいずれかの時期に、共和国副大統領として、恒久的に共和国大統領職を代行した市民。
(4)共和国大統領に就任した直後の期間における、前項に規定する市民の4親等内の血族及び2親等内の姻族。
(5)共和国大統領の4親等内の血族又は2親等内の姻族。
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