第257条【国有財産】、第258条【公共用財産】、第259条【コンセッションは社会福祉及び公共の利益に基づく】、第260条【国家の芸術的及び歴史的な財産】、第261条【通貨発行権】、第262条【強制通用の紙幣の禁止】、第263条【公的及び準公的な銀行】、第264条【経済力に比例した課税】、第265条【輸入品及び国内で生産されない物品の公的独占】、第266条【公開入札】
第9編【財政】
第1章【国の財産及び権利】
第257条 以下のものは国に帰属する。:(1)コロンビア共和国に属する領域内に存在する財産。
(2)コロンビア共和国がパナマ地峡の領域に対して行使する主権により、国内外に所有者として保有する権利及び株式。
(3)消滅したパナマ県(departamento)に帰属していた財産、収入、不動産、有価証券、権利及び株式。
(4)荒れ地又は放棄地。
(5)国営企業若しくは合弁企業によって開発される、又は法律の定める開発に関するコンセッション若しくは契約の対象となる地下の資源。付与された鉱業権で、法律の定める期間内及び条件下で行使されなかったものは、国に返還されるものとする。
(6)塩鉱、鉱山、地下水、温泉、炭化水素鉱床、採石場及びあらゆる種類の鉱床は、私的占有の対象としてはならない。ただし、国が、国営企業若しくは合弁企業を通して、直接開発し、又は民間企業による開発のためのコンセッション若しくはその他の契約の対象とすることができる。法律により、本項に規定する各種形態の開発に関する、あらゆる事項について定めるものとする。
(7)歴史的な記念碑、並びに国家の過去を実証する文書及びその他の財産。法律により、そのような財産を私人がいかなる権利で保有する場合も、国に返還される手続きを定めるものとする。
(8)考古学的な遺跡及び遺物。その利用、研究及び回収は、法律によって規制するものとする。
第258条 以下の者は国に帰属し、公共の用に供されるために、私的占有の対象としてはならない。:
(1)領海、湖沼及び河川の水域、海岸及び河岸の岸辺、航行可能な河川、港湾並びに浜辺。これらの財産は全て、法律の定める規則に従い、自由かつ共同で利用されるものとする。
(2)公共サービス及びあらゆる種類の通信を目的とする土地及び水域。
(3)かんがい、水力発電、排水及び水道の公共サービスのために利用される、又は国が使用する土地及び水域。
(4)領空、海底の大陸棚並びに領海の海底及び地下土壌。
(5)公共の用に供されるものとして、法律の定めるその他の財産。
私有財産が法律の規定により、公共用財産に転換される場合は全て、その所有者は補償を受けるものとする。
第259条 土壌、地下土壌及び森林の開発、水域の利用、通信手段又は輸送手段、並びにその他の公共サービス企業のためのコンセッションは、社会福祉及び公共の利益に基づくものでなければならない。
第260条 国家の芸術的及び歴史的な財産は、国家の文化遺産を構成する。国の保護下にあり、破壊、輸出又は譲渡を禁止するものとする。
第261条 通貨を発行する権限は国に帰属する。国は、法律の定める方法により、これを公式に発行する銀行に委譲することができる。
第262条 共和国に強制通用の紙幣は存在しない。
第263条 法律により、国によって監督される自治団体として運営される、公的又は準公的な銀行を設立及び規制し、これらの機関が契約する義務に関する国の補助的責任を定めるものとする。法律により、銀行制度を規制するものとする。
第264条 法律により、公的資金を調達し、国家の生産を保護する必要の範囲内で、可能な限り、全ての租税が納税者の経済力に比例して課されるよう努めるものとする。
第265条 輸入品又は国内で生産されない物品に関する公的な独占は、収入の裁定として、法律によって定めることができる。
国は、適法な産業又は事業の経営をはく奪することによって独占を設定する場合、本条に規定する条件の下で、事前に、その事業を接収される者又は企業に補償しなければならない。
第266条 国の工事の施行又は修繕、国、その自治団体若しくは半自治団体又は基礎自治体の資金による購入、並びにこれらに帰属する財産の売却又は貸与は、法律の定める例外を除いて、公開入札によって行わなければならない。
法律により、入札における国家の利益の最大化、及び落札の完全な公平性を保障するための措置を定めるものとする。
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