第279条【会計検査院】、第280条【会計検査院の職務】
第9編【財政】
第3章【共和国会計検査院】
第279条 共和国会計検査院と称する独立した国家機関を設置する。会計検査院は、会計検査院長と称する公務員を長とし、会計検査院副院長を置く。これらの者は、共和国大統領と同じ任期で任命される。その任期中、法律の定める事由により、最高裁判所によって解任される場合を除いて、停職又は解任されることはない。両者とも、通常の大統領任期の開始後の1月1日に就任するよう任命される。
共和国会計検査院長及び副院長になるには、出生によるパナマ市民で、大学の学位を有し、35歳以上であり、裁判所によって言い渡される執行力ある判決により、5年以上の拘禁刑に相当する悪意犯罪で有罪判決を受けたことがないことを要するものとする。
第280条 共和国会計検査院の職務は、法律の定めるものに加えて、以下の通りとする。:
(1)内外の債務に関するものを含め、国家会計を管理すること。
(2)公的資金及びその他の公的財産のあらゆる管理行為を、法律の規定に従い、正しく実施されるように、事前又は事後の統制によって監査及び規制すること。
会計検査院は、管理行為に関して事前と事後の両方の統制を行う場合と、事後の統制のみを行う場合を決定するものとする。
(3)公的資金又はその他の公的財産を運用、管理又は保管する公務員、団体又は個人の会計を検査、監査及び決済すること。刑事責任については、通常の裁判所が管轄するものとする。
(4)公的資産に影響を与える、取引の正否を判定するための検査及び調査を実施し、必要に応じて、その不服を申し立てること。
(5)国、県、基礎自治体、自治団体又は半自治団体の公共機関及び国営企業の財政管理に関する報告書を、関連する公務員から収集すること。
(6)公共団体に有利な債権の実効性を保障するために必要な措置を定め、その実施を推進すること。
(7)憲法又は法律に違反し、公的資産に影響を与える法律及びその他の行為について、違憲又は違法の宣言を請求すること。
(8)本条(5)に規定する公共機関の会計方式を定めること。
(9)行政の財政状況について国民議会及び行政機関に報告し、補助的又は臨時的な債権発行の実行可能性及び妥当性について意見を表明すること。
(10)国家統計の指導及び作成。
(11)この憲法及び法律に従い、その部局の職員を任命すること。
(12)その活動の年次報告書を行政機関及び国民議会に提出すること。
(13)不正の嫌疑によって不服が申し立てられた場合、会計裁判所を通して、管理官及び公務員の会計を裁判に付すこと。
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