第313条【憲法改正の発議権】、第314条【並立制憲議会による改正】
第13編【憲法の改正】
第313条 憲法改正の発議権は、国民議会、閣僚評議会又は最高裁判所が有する。その改正は、以下のいずれかの手続きにより、承認されるものとする。:(1)国民議会議員の過半数の賛成により、3回の審議で可決された憲法改正法によるもの。これは官報に掲載され、前回の総選挙で選出された国民議会が設置された後の通常会の最初の5日以内に、行政機関から同議会に送付される。その最初の会議において、国民議会議員の過半数の賛成により、修正されることなく1回のみの審議で可決されるものとする。
(2)ある会期において、3回の審議を経て、国民議会議員の過半数によって可決され、その直後の会期においても、同様に3回の審議を経て、同議会議員の過半数をによって可決された憲法改正法によるもの。この場合、前会期で可決した条文を修正することができる。この方法で可決された憲法改正法は、官報に掲載され、2回目の会期における憲法改正法の可決から起算して3か月以上6か月以内の期間内に、国民議会が定める日に実施される国民投票により、国民の直接投票に付すものとする。
第314条 新しい憲法は、並立制憲議会によって採択することができる。制憲議会は、行政機関の決定によって召集される。立法機関がその過半数により、又はその議員の3分の2以上の賛成によって承認するものとする。市民の発議によって承認することもできる。その際には、発議の前年の12月31日の選挙人名簿に登録されている選挙人の20%以上の署名を添付するものとする。この場合、請願者は、選挙裁判所がそのために発行する規則に従い、この要件を遵守するために最長6か月を与えられる。
選挙裁判所は、召集要求の成立から3か月以上6か月以内の期間内に、提案された発議を受理し、制憲議会議員の選挙を公示する責任を負う。選挙が実施され、並立制憲議会が正式に設置される、制憲議会は、選挙裁判所からその議員に証書が交付された後に、直ちにその独自の権限で審議を開始するものとする。
並立制憲議会は、選挙人口に応じて、全ての県及びコマルカのパナマ人を比例代表する60人の議員によって構成される。政党の指名に加えて、自由指名も認められる。そのために、選挙裁判所は、召集において、議員の選挙に適用される選挙制度を定めるものとする。
並立制憲議会は、現行憲法の全部又は一部を改正することができる。ただし、いかなる場合も、その採択する決定は遡及効を有しない。また、新しい憲法の施行時に在任する、公選の公務員又は任命された公務員の任期を変更することもできない。並立制憲議会は、その作業を完了し、承認された新しい政治憲法の条文を選挙裁判所に提出するために、6か月以上9か月以内の期間を与えられる。この条文は、選挙裁判所の公報に直ちに掲載されるものとする。
この方法に従って承認された新しい憲法改正法は、選挙裁判所の公報に掲載された日から起算して3か月以上6か月以内の期間内に、選挙裁判所が公示する国民投票に付すものとする。
本条及び前条に規定する、いずれかの手続きに従って承認された憲法改正法は、官報に掲載された後に施行される。官報への掲載は、国民議会による承認後10日以内に、又は国民投票による承認後30日以内に、行政機関が行うものとする。これらの期間の経過後の掲載は、違憲の原因とはならない。
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