第32条【社会の基礎としての家庭】、第33条【家族の身分及び財産の保障】、第34条【未成年者の権利及び保護】、第35条【未成年者の健康並びに扶養及び教育、未成年者による犯罪】、第36条【嫡出子又は非嫡出子及び養子の権利】
第2編【人間の基本的な権利及び保障】
第2章【社会的な権利】
第1節【家庭】
第32条 家庭は社会の根本的な基礎であり、国によって保護される。国は、家庭の統合、福祉並びに社会的、文化的及び経済的な発展のために、必要な法律を制定し、適当な機関及びサービスを設置するものとする。家庭の法的な基礎は婚姻であり、配偶者の法的平等の上に成り立つものである。
国は婚姻を奨励する。ただし、婚姻の有無は、家族のために定める権利の享受に影響を与えるものではない。
第33条 法律により、配偶者間及び親子間の身分及び財産の関係を規制し、衡平に基づく相互の権利及び義務を定め、その適用を保障するために必要な機関を設置するものとする。また、男性と女性の事実婚から生じる家族関係についても定めるものとする。
第34条 未成年者は全て、その総合的な発達を可能にする、家庭的及び環境的な条件の下で生活する権利を有する。そのために、国によって保護されるものとする。
法律により、国の義務を定め、母性及び児童の保護のための機関を設置するものとする。
第35条 国は、未成年者の身体的、精神的及び道徳的な健康を保護し、教育及び扶養を受ける権利を保障するものとする。
犯罪又は軽犯罪を構成する未成年者の反社会的行為は、特別な法制度の対象とする。
第36条 嫡出子又は非嫡出子及び養子は、親に対して平等な権利を有する。子に保護、扶養、教育及び安全を提供することは、親の義務である。
市民登録簿には、親子関係に関するいかなる資格も記載してはならない。また、出生証明書には、両親の婚姻関係を明記してはならない。
全ての人は、自身を特定するための名前を持つ権利を有する。二次法により、これに関する事項について定めるものとする。
また、法律により、父子関係の調査及び立証の方法について定めるものとする。
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