第84条【会議の定足数】、第85条【発言の無答責】、第86条【立法上の職務の保護】、第87条【免責の範囲及び限界】、第88条【議席の喪失】、第89条【議会の会期】、第90条【議院の理事会】、第91条【議長の報告責任】、第92条【議員の報告責任】
第3編【立法府】
第2章【両議院に共通する規定】
第84条 各議院とも、審議を有効に行うために過半数の議員の出席を要する。決議は、投票の過半数によって採択される。ただし、事前に緊急であると宣言された議案は、2回目の審議において、出席議員の3分の2以上の賛成によって決定されるものとする。第85条 両議院の議員は、会議中に表明した意見について免責を享受する。
第86条 元老院議員又は代議院議員は、犯罪の実行時に逮捕された場合を除いて、所属する議院の許可なく、会期中にその自由を奪われることはない。
議員が逮捕、拘禁され、又はその他の方法で自由を奪われた場合、その議員が所属する議院は、会期中であるか否かにかかわりなく、その議員の1人であっても、会期中、その釈放を請求することができる。そのために、元老院議長若しくは代議院議長、又は場合により、元老院議員若しくは代議院議員は、共和国司法長官に要請し、必要に応じて、直接釈放を命じるものとする。この目的のために、公権力の全面的な支援を要請し、これを受けることができる。
第87条 前条に規定する議員の免責は、議員の個人的な特権を構成するものではない。その議員が所属する議院の特権であり、議員の任期終了に伴う訴訟手続の開始を妨げるものではない。議院がその議員の1人の保護を取り消すよう管轄権を有する司法当局から請求を受けた場合、その議事規則の規定に従って手続きを行い、請求から最長2か月以内にその旨の決定を行うものとする。
第88条 議員は、議会の会議に出席し、この憲法及び関連する議会の議事規則の定める方法及び条件の下で、欠格事由及び兼職禁止の制度に従うものとする。前述の事項を遵守しない者は、この憲法及び議事規則の定める規定に従って弾劾された後に、その議席を喪失する。罷免後10年以内は、国の議会の役職に就く資格を有しない。
第89条 両議院は、毎年2月27日及び8月16日に通常会を開催する。各会期は150日とする。行政府は臨時会を召集することができる。
第90条 元老院及び代議院は、毎年8月16日、それぞれ議長、副議長及び2人の書記によって構成される理事会を選出する。
(1)元老院議長及び代議院議長は、会期中、懲戒権を有し、あらゆる法律行為においてその議院を代表する。
(2)各議院は、国家議会事務職員法に基づき、その職員、事務員及び補助員を任命する。
(3)各議院は、その内部業務及び議事の執行を規律し、懲戒権の行使に関して、これに適用する罰則を定めることができる。
第91条 両議院の議長は、毎年8月の第1週にその本会議を召集し、前期に実施された立法、行政及び財政に関する活動について報告するものとする。
第92条 議員は、その代表する選挙人に対して、業績に関する報告書を毎年提出する義務を負うものとする。
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