第191条【検察庁の構成】、第192条【検事総長、司法長官及び人権保護訟務長官】、第193条【検事総長の任務】、第194条【人権保護訟務長官及び司法長官の職務】
第6編【政府機関、権限及び管轄権】
第4章【検察庁】
第191条 検察庁は、共和国検事総長、共和国司法長官、人権保護訟務長官及び法律の定めるその他の公務員によって運営される。第192条 共和国検事総長、共和国司法長官及び人権保護訟務長官は、立法議会が、その議員の3分の2以上の適格多数決によって選任するものとする。
任期は3年とし、再任することができる。解任は、議員の3分の2以上の賛成により、法的根拠がある場合にのみ行うことができる。
共和国検事総長又は共和国司法長官になるには、第二審裁判所裁判官になるのと同様の資格を要するものとする。
法律により、人権保護訟務長官が満たすべき要件について定めるものとする。
第193条 共和国検事総長の任務:
(1)国家及び社会の利益を保護すること。
(2)職権で、又は当事者の要求により、適法性を保護するための訴訟を提起すること。
(3)法律の定める方法により、国家文民警察の協力を得て、犯罪捜査を指揮すること。
(4)職権で、又は当事者の要求により、刑事訴訟を提起すること。
(5)あらゆる種類の裁判、不動産全般及び入札対象動産の取得に関する契約、並びに法律の定めるその他の契約において、財政上の利益を保護し、国を代理すること。
(6)当局に対する攻撃の犯罪及び侮辱罪で告発された者の訴追及び処罰を開始すること。
(7)その職務を遂行するために特別委員会を任命すること。
(8)最高裁判所検察官、第二審裁判所検察官、軍事裁判所検察官、第一審裁判所検察官及び財務検察官を任命、解任し、休暇を付与し、辞任を受諾すること。下級機関のその他の公務員及び従業員についても、同様の権限を行使することができる。
(9)【削除】
(10)国が付与するあらゆる種類のコンセッションが、そこに定められた要件、条件及び目的を遵守していることを監視し、これに対応する措置を講じること。
(11)法律の定めるその他の権限を行使すること。
第194条 人権保護訟務長官及び共和国司法長官は、以下の職務を有する。:
(I)人権保護訟務長官の任務:
(1)人権の尊重及び保障を監視すること。
(2)職権で、又は受理した告発により、人権侵害の事件を捜査すること。
(3)人権侵害の被害者を支援すること。
(4)人権を保護するための司法的又は行政的な救済手続を開始すること。
(5)拘束されている者の状況を監視すること。逮捕の通知を受け、行政拘禁の法的制限が尊重されるよう保障するものとする。
(6)人権の尊重を保障するために必要であると認める場合に、検査を実施すること。
(7)個々人に対する行政の行動を監督すること。
(8)人権向上のために、国家機関の改革を推進すること。
(9)人権の行使に影響を与える法案について意見を表明すること。
(10)人権侵害を防止するために必要と認める措置を推進及び提案すること。
(11)公開又は非公開の結論及び勧告を策定すること。
(12)報告書を作成及び発行すること。
(13)人権の知識及び尊重に関する広報活動の、恒久的プログラムを展開すること。
(14)憲法又は法律によってその権限とされるその他の事項。
人権保護訟務長官は、常勤の県代理人及び地方代理人を置くことができる。
(II)共和国司法長官の任務:
(1)家庭並びに未成年者及びその他の無能力者の身体及び利益の保護を保障すること。
(2)資力に乏しい者に法律扶助を提供し、個人の自由及び労働の権利の保護のために、裁判上、それらの者を代理すること。
(3)共和国の全ての裁判所の補助弁護士、労働弁護士、並びにその下級機関のその他の公務員及び従業員を任命、解任し、免許を付与し、辞任を受諾すること。
(4)法律の定めるその他の権限を行使すること。
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