第54条【議会の専権事項】
第5章【国民議会】
【議会の専権事項】
第54条 議会の専権事項:(1)共和国大統領が批准する前に提出した国際条約を承認又は否認すること。条約の承認は、第66条に従い、各議院において一定の定足数を満たさなければならず、必要に応じて法律の手続きに従うものとする。
共和国大統領は、条約の内容及び範囲、並びに留保の承認又は設定を議会に報告するものとする。
議会は、国際条約の承認手続において、条約の規定又は国際法の一般条項に準拠することを条件に、国際条約に対する留保及び解釈宣言の設定を提案することができる。
共和国大統領が講じる措置、又は発効中の条約の施行のために締結する協定は、法律の定める事項を処理する場合を除いて、議会の新たな承認を要しない。共和国大統領がその規制権の行使としてて締結する条約は、議会の承認を要しない。
条約の規定は、条約の定める方法又は国際法の一般条項に従ってのみ、適用を除外し、又は修正若しくは停止することができる。
共和国大統領は、条約を破棄又は脱退する権限を独占し、そのために、議会が承認した条約の場合は、両議院の意見を求めるものとする。国際条約の規定に従って破棄又は脱退が効力を生じると、その条約はチリの法秩序において効力を失うものとする。
議会が承認した条約を破棄又は脱退する場合、共和国大統領は、破棄又は脱退から15日以内にその旨を議会に報告しなければならない。
共和国大統領が設定し、条約を承認した際に国民議会が考慮した留保の撤回は、憲法上の組織法の規定に従い、国民議会の事前の承認を要するものとする。国民議会は、承認を要求する書面を受け取ってから30日以内に議決しなければならない。この期間内に議決されない場合、留保の撤回は承認されたものとみなす。
国際条約の発効、留保の設定及び撤回、解釈宣言、留保に対する異議申立て及びその取下げ、条約の破棄、並びに条約の脱退、停止、終了及び無効など、国際条約に関して、法律の規定に従い、適切に公表しなければならない。
条約を承認する協定において、議会は、共和国大統領に対し、条約の有効期間中、その完全な遵守のために必要であると認める、法律の効力を有する規定を布告する権限を付与することができる。この場合、第64条第2段以降の規定が適用される。
(2)第40条第2段に規定する方法で、憲法上の非常事態を宣言すること。
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