第94条の2【選挙管理機関】、第95条【選挙裁判所】、第96条【州選挙裁判所】、第97条【州選挙裁判所の予算、職員】
第9章【選挙管理機関及び選挙裁判所】
第94条の2 選挙管理機関と称する、法人格及び独自の財産を有する自治機関は、選挙及び国民投票、選挙費用の透明性、限度額及び管理に関する規則の遵守、政党に関する規則、並びに憲法上の組織法の定めるその他の職務の管理、監視及び監督を行うものとする。選挙管理機関の最高指揮権は選挙管理委員会に帰属し、委員会は、憲法及び法律によって委任される権限を独占的に行使するものとする。委員会は、元老院議員の3分の2以上の賛成を得て、共和国大統領が任命する5人の委員によって構成される。委員の任期は10年とし、再任することはできない。2年ごとに期間をずらして更新されるものとする。
最高裁判所は、憲法又は法律に対する重大な違反、無能力、不正行為、又は職務執行上の明白な過失がある場合に限り、共和国大統領又は代議院議員の3分の1以上の要求により、委員を解任することができる。裁判所は、そのために特別に招集する会議でこれを審理し、解任の決定は裁判官の多数決によるものとする。
選挙管理機関の組織及び権限は、憲法上の組織法によって定める。その非集権的な構成、職員の配置、報酬及び職制は、法律によって定めるものとする。
第95条 選挙裁判所と称する特別裁判所は、共和国大統領、代議院議員及び元老院議員の選挙に関する一般的な審査及び資格認定に責任を負う。不服が申し立てられた場合はこれを解決し、当選者を宣言するものとする。また、裁判所は、国民投票を審理し、法律の定めるその他の権限を有する。
委員会は、以下の方法で任命される5人の裁判官によって構成される。:
(a)最高裁判所の裁判官4名。その憲法上の組織法の定める方法及び時期に、最高裁判所が抽選によって任命するものとする。
(b)365日以上の期間、代議院又は元老院の議長又は副議長を務めたことのある国民1名。前述の要件を満たす者の中から、最高裁判所が前述の(a)に規定する方法で任命するものとする。
(b)の任命は、議員、公選の役職の候補者、国務大臣又は政党の指導者を指名することはできない。
この裁判所の裁判官の任期は4年とし、この憲法の第58条及び第59条の規定が適用される。
選挙裁判所は、事実認定について陪審として審理し、法律に従って判決を言い渡すものとする。
憲法上の組織法により、選挙裁判所の組織及び職務を定めるものとする。
第96条 州選挙裁判所を設置する。法律によって委任される選挙の一般的な審査及び資格認定、並びに不服申立ての解決及び当選者の宣言を行うものとする。その決定に対して、法律の定める方法で選挙裁判所に上訴することができる。また、組合の選挙及び法律の定める中間団体の選挙の資格認定の審査についても責任を負うものとする。
この裁判所は、各控訴裁判所が選出する同裁判所の裁判官1名、及び3年以上の期間、弁護士の職務を執行し、又は控訴裁判所の裁判官若しくは弁護士を務めたことがある者の中から、選挙裁判所が任命する裁判官2名によって構成される。
この裁判所の裁判官の任期は4年とし、法律の定める欠格事由及び兼職禁止に該当しないものとする。
この裁判所は、事実認定について陪審として審理し、法律に従って判決を言い渡すものとする。
法律により、この裁判所のその他の権限並びに組織及び職務を定めるものとする。
第97条 この裁判所の組織及び職務に必要な資金は、毎年国家予算法に計上される。その職員の配置、報酬及び職制は、法律によって定めるものとする。
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