第151条【教育の目的】、第152条【子の教育を選択する親の権利】、第153条【基礎教育の発展のための機関】、第154条【識字率の向上】、第155条【研究、学習及び教授の自由】、第156条【教育水準】、第157条【教育制度の運営】、第158条【教育施設の水準】、第159条【公教育庁及びホンジュラス国立自治大学による措置】、第160条【ホンジュラス国立自治大学】、第161条【ホンジュラス国立自治大学への支援】、第162条【教育の性質及び教育者の責任】、第163条【教員養成】、第164条【小学校教員の給与及び退職金に対する租税免除】、第165条【教育専門職の身分保障】、第166条【教育施設を設立する権利】、第167条【経営者による基礎教育学校の設立】、第168条【憲法並びに歴史及び地理の教育】、第169条【障害者の教育】、第170条【学校外教育の発展】、第171条【無償の義務教育】、第172条【国家の文化遺産】、第173条【郷土の文化並びにフォークロア、民俗芸術及び手工芸の保存及び振興】、第174条【体育及びスポーツの文化】、第175条【国家の発展に寄与する作品の普及】、第176条【国営及び民営のメディアの義務】、第177条【強制加入の専門職団体】
第3編【宣言、権利及び保障】
第8章【教育及び文化】
第151条 教育は、文化の保存、振興及び普及のために、国家に不可欠な職務であり、いかなる差別もなく、その利益を社会に還元するものである。国民教育は、世俗的で、民主主義の本質的な原則に基づくものである。生徒にホンジュラスの深遠な情操を養い、育成し、国家の経済的及び社会的な発展のプロセスに直結するものでなければならない。
第152条 親は、子に受けさせる教育の種類を選択する優先的な権利を有する。
第153条 国は、国民の基礎教育を発展させる義務を負う。そのために、公教育局に国務長官に直属する、必要な行政機関及び技術機関を設置するものとする。
第154条 識字率の向上は国家の最重要課題である。そのために協力することは、全てのホンジュラス人の義務である。
第155条 国は、研究、学習及び教授の自由を認め、これを保護するものとする。
第156条 ホンジュラス国立自治大学に相当する高等教育を除いて、正規の教育水準は、各法律によって定めるものとする。
第157条 高等教育を除く正規の教育制度の、全ての段階における教育は、行政が公教育庁を通して独占的に、認可、組織、指導及び監督する。公教育庁は、全額公費で賄われる同制度の施設を管理するものとする。
第158条 いかなる教育施設も、法律に従い、相当する水準よりも質の低い知識を提供してはならない。
第159条 公教育庁及びホンジュラス国立自治大学は、その権限を損なうことなく、学生が高等教育の要件に適切に対応できるよう、国民教育の一般的なプログラムを一貫したシステムに統合するために必要な措置を講じるものとする。
第160条 ホンジュラス国立自治大学は、法人格を有する国の自治機関である。高等教育及び専門教育を組織、指導し、これを発展させる独占的な権利を有する。科学的、人文学的及び技術的な研究、文化の一般的な普及、並びに国家的な問題の研究に貢献する。また、ホンジュラス社会の変革への参加を計画するものとする。
法律及びその規約により、組織、運営及び権限について定めるものとする。
私立大学の設置及び運営については、この憲法の定める原則に従って特別法を制定するものとする。
ホンジュラス国立自治大学が授与する学位、並びにホンジュラス国立自治大学が認める私立大学及び外国の大学が授与する学位のみが、正式に有効と認められる。
ホンジュラス国立自治大学は、外国の大学を卒業した専門家の編入を決定する権限を有する唯一の機関である。
有効な学位を有する者のみが、専門職の活動に従事できるものとする。
行政府が授与する大学以外の学位は、法的に有効とする。
第161条 国は、ホンジュラス国立自治大学の支援、発展及び充実に貢献する。融資及び寄付を除いて、共和国の純収入予算の6%以上の年間民間割当を行うものとする。
国立自治大学は、あらゆる種類の租税を免除されるものとする。
第162条 情報提供的及び形成的な性質により、教育は、社会的及び人間的な機能を有する。それは、生徒、教育機関及び社会に対する、教育者の科学的及び道徳的な責任を決定するものである。
第163条 教員養成は、国の独占的な職務及び責任とする。教員とは、教育業務を管理、組織、指導、教授又は監督する者で、その職業が教職である者を意味する。
第164条 小学校に勤務する教員は、給与及びその後の退職給付として受け取る金額に対するあらゆる種類の租税を免除される。
第165条 法律により、教育専門職の雇用の安定、その崇高な使命に相応しい生活水準、及び公正な退職金を保障するものとする。
これに関して、ホンジュラス教員法を制定するものとする。
第166条 全ての自然人又は法人は、憲法及び法律に従い、教育施設を設立する権利を有する。
教員と私立教育機関の経営者の間の労働関係は、労働法制に基づく利益を損なうことなく、教育法によって規律されるものとする。
第167条 農村地域の農場、工場及びその他の生産施設の経営者は、学齢児童の人数が30人以上、国境地帯では20人以上の場合、常勤労働者の子どものために基礎教育学校を設立又は維持する義務を負うものとする。
第168条 共和国憲法並びに国家の歴史及び地理の教育は義務であり、ホンジュラスの専門家によって行われるものとする。
第169条 国は、障害者の教育を支援及び促進するものとする。
第170条 国は、図書館、文化施設及びあらゆる形態の普及活動を通して、学校外教育の発展を促進するものとする。
第171条 公教育は無償である。基礎教育も義務教育であり、全額国庫負担とする。国は、この規定を実施するために義務化の機構を整備するものとする。
第172条 ホンジュラスのあらゆる人類学的、考古学的、歴史的及び芸術的な遺産は、国家の文化遺産の一部を構成するものである。
法律により、必要に応じて、その保存、修復、維持及び返還の根拠となる規則を定めるものとする。
その保存を保障し、減少を防止することは、全てのホンジュラス人の義務である。
自然の景観、記念碑及び保護区は、国の保護下に置かれるものとする。
第173条 国は、郷土の文化、並びに民族のフォークロア、民俗芸術及び手工芸の真正な表現を保存及び振興するものとする。
第174条 国は、体育及びスポーツの文化の享受及びその実践を奨励するものとする。
第175条 国は、哲学的、科学的又は文学的に正当な創作で、国家の発展に寄与する国内外の著作者の作品の普及を促進及び支援するものとする。
第176条 国営メディアは教育及び文化に奉仕するものである。民間のマスメディアは、これらの目的の達成に寄与する義務を負うものとする。
第177条 強制加入の専門職団体を設置する。法律により、その組織及び運営について定めるものとする。
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