第189条【通常会】、第190条【臨時会】、第191条【臨時召集】、第192条【定足数】、第193条【議会に対する妨害】、第194条【臨時理事会】、第195条【理事会の選出】、第196条【議員の任期】、第197条【議員の任務】、第198条【議員の要件】、第199条【議員の欠格事由】、第200条【議員等の特権】
第5編【国家権力】
第1章【立法権】
第189条 立法権は、直接選挙によって選出される議員によって構成される議会によって行使される。毎年1月25日に共和国の首都で、召集するまでもなく通常会を開催し、同年10月31日にその会期を終了するものとする。会期は、1人以上の議員の発議による議会の決議により、又は行政府の要求により、必要な期間延長することができる。
休会について、議事規則によって定めるものとする。
第190条 国民議会は、以下の場合に臨時会を開催するものとする。:
(1)行政府の要求がある場合。
(2)常任委員会によって召集する場合。
(3)議員の過半数が合意する場合。
この場合、その召集令の理由となった事項のみを処理するものとする。
第191条 行政府、その他の当局、又は不可抗力若しくは不測の事態により、国民議会の設置又は会議の開催が妨げられた場合、5人以上の議員は、臨時に国民議会を召集し、共和国のあらゆる場所で開催することができる。
第192条 国民議会の設置及び会議の開催は、その議員の過半数で足りるものとする。
第193条 議会自体、その他の国家機関又は私人は、議会の設置若しくは会議の開催を妨げ、又は解散を命じることはできない。
この規定に違反することは、国家権力に対する犯罪を構成するものとする。
第194条 1月21日に議員は準備委員会を開催し、5人以上の出席をもって臨時理事会を組織するものとする。
第195条 1月23日に議員は最後の準備会議を開催し、新しい理事会を選出するものとする。
国民議会議長の任期は2年とし、常任委員会の委員長を務めるものとする。
その他の理事の任期は2年とする。
第196条 議員の任期は、国民議会が厳粛に設置された日から起算して4年とする。議員が欠員となった場合、国民議会による後任者の選任によってその任期は終了する。
第197条 議員は、この憲法が定める期日に会議を開催し、正当な資格を失った場合を除いて、国民議会が開催する全ての会議に出席する義務を負う。
不当に会議を欠席又は放棄して、定足数の不成立又は流会を引き起こした議員は、議会から除名され、10年間公職に就く資格を失うものとする。
第198条 議員に選出されるには、以下の要件を満たさなければならない。:
(1)出生によるホンジュラス人であること。
(2)21歳以上であること。
(3)市民権を行使していること。
(4)聖職者でないこと。
(5)立候補する県で生まれたこと、又は選挙の公示日の5年以上前からそこに居住していること。
第199条 以下の者は、議員に選出されないものとする。:
(1)共和国大統領及び副大統領。
(2)最高裁判所裁判官
(3)国務大臣及び副大臣。
(4)国家的な管轄権を有する軍司令官。
(5)国の分権機関における指揮、行政及び管理に責任を負う最高機関の長。
(6)現役の軍人、及び保安部隊又はその他の武装部隊の隊員。
(7)法律の定める、行政府及び司法府のその他の公務員及び従業員。ただし、教職及び医療職に従事する者を除く。
(8)最高選挙裁判所の裁判官、並びに全国国民登録局の局長及び副局長。
(9)共和国司法長官及び副長官、上級会計裁判所裁判官、共和国検事総長及び副総長、環境保護官、コンセッション監督官並びに国家人権委員。
(10)前述の(1)、(2)、(4)、(8)及び(9)に規定する者の配偶者並びに4親等内の親族及び2親等内の姻族、並びに国防公安大臣及び副大臣。
(11)軍事区の長、軍の部隊の司令官、県又は地区の軍事委員、治安部隊の委員、及びその他の武装部隊の委員が、管轄権を行使する県の候補者である場合、その配偶者並びに4親等内の親族及び2親等内の姻族。
(12)天然資源の開発のための国のコンセッション業者、又は国の資金で賄われる公共のサービス若しくは工事の契約者、及びそのために国に対して未払金を有する者。
(13)国庫に対する滞納金の債務者。
これらの兼職禁止及び欠格事由は、選挙日の直前6か月以内にその役職に就いていた者に影響するものとする。
第200条 議会議員及びこの憲法の第205条(15)に規定する国家公務員は、選出又は任命の日から退任するまで、以下の特権を享受するものとする。:
(1)身体、並びに個人使用の住居及び車両を捜索されない個別的な免責。また、国民議会によって事前に訴訟の開始を宣言された場合を除いて、たとえ合囲事態であっても、いかなる当局にも拘禁又は裁判されない個別的な免責。ただし、生命及び身体の完全性に対する犯罪の現行犯として逮捕され、拘禁刑に相当する場合はこの限りでない。後者の場合、この憲法の定める期間、予防的に拘禁することができる。その場合、直ちに裁判所に引致されるものとする。裁判所は、保釈金を支払うまで、又は国民議会が適切な決議をするまで、自宅軟禁を命じることができる。裁判所は、直ちに国民議会に通知しなければならない。倫理委員会が意見を公表し、必要な情報が提供された場合、理由を示すことなく、告発された犯罪に限り、訴訟の開始を宣言することが適切か否かを決定するものとする。
(2)戦時に兵役に就かないこと。
(3)法律の発議、投票、又は権限を行使する際に、議院の内外で表明した意見について、いかなるときも責任を追及されないこと。
(4)国民議会が、共和国憲法第205条(15)に規定する公務員及び議員の訴訟の開始を宣言した場合、最初に行政手続を尽くし、その後に刑事訴訟を提起するものとする。
(5)職務上、第三者から打ち明けられた事実に関して供述しないこと。
議員候補者は、その政党から推薦された日から同様の特権を享受するものとする。
これらの規定に違反した者は、刑事責任を負うものとする。
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