第213条【法律の発議権】、第214条【3回の討議後の採決】、第215条【行政府による承認】、第216条【行政府の拒否権】、第217条【会期末の法案採決】、第218条【行政府の承認を要しない場合】、第219条【共和国法典の改正又は廃止】、第220条【否決された法案】、第221条【官報への掲載】
第5編【国家権力】
第2章【法律の形成、制定及び公布】
第213条 国民議会議員、共和国大統領は国務大臣を通して、並びに最高裁判所及び最高選挙裁判所はその管轄権の範囲内で、法律の発議権を独占的に有する。第214条 いかなる法案も、出席議員の単純多数決によって緊急性を認められた場合を除いて、異なる日に開催される3回の討議後でなければ、最終的に採決することはできない。
第215条 あらゆる法案は、国民議会で可決された場合、遅くとも議決後3日以内に行政府に提出される。行政府は、適当な場合はこれを承認し、法律として公布する。
法案の承認は、「したがって、執行する。」という様式で行うものとする。
第216条 行政府は、法案を承認することが不都合であると認める場合、10日以内に以下の様式で国民議会に差し戻すものとする。:拒否の根拠となる理由を明記し、「議会に差し戻す。」
前述の期間内に拒否されなければ、承認されたものとみなされ、法律として公布される。
行政府が法案を差し戻した場合、国民議会はこれを再度審議し、3分の2以上の賛成で可決した場合、以下の様式で行政府に再度提出するものとする。:「憲法上、承認された。」これを遅滞なく公表するものとする。
拒否権が法案の違憲性に基づく場合、最高裁判所の審理を経なければ、再度審議することはできない。最高裁判所は、国民議会の定める期間内に意見を公表しなければならない。
第217条 国民議会が会期末に法案を採決し、行政府がこれを承認することが不都合であると認める場合、国民議会は、議会が法案を受け取った日から起算して最長10日間、会期を延長することができるように、直ちに通知する義務を負う。これを怠った場合は、次の議会会期の最初の8日以内に法案を提出するものとする。
第218条 以下の場合及び決議に関しては、承認を要しない。また、行政府は拒否権を行使することができない。:
(1)国民議会が実施若しくは宣言する選挙、又は承認若しくは拒否する辞任。
(2)訴訟を開始するか否かの宣言。
(3)行政府の行動に関する政令。
(4)前政権のために制定された規則。
(5)所在地を暫定的にホンジュラス領内の別の場所に移転すること、会期を一時停止すること、又は臨時会を召集することを承認する政令。
(6)予算法
(7)国民議会が承認した条約又は契約。
(8)共和国憲法の改正。
(9)国民議会が定めた共和国憲法の解釈。
これらの場合、行政府は、以下の様式で法律を公布するものとする。:「 したがって、公表する。」
第219条 最高裁判所の発議によらない法案で、共和国の法典に含まれる規定の改正又は廃止を目的とするものは、同裁判所の意見を聴取することなく討議することはできない。
裁判所は、国民議会の定める期間内に報告書を提出するものとする。
この規定は、政治的、経済的又は行政的な性質の法律を含まないものとする。
第220条 全部又は一部を否決された法案を、同じ議会で再度審議することはできないものとする。
第221条 公布された法律は、官報「La Gaceta」に掲載されてから20日を経過した時に拘束力を生じる。ただし、本条に規定する期間は、同法において制限又は延長することができる。特別な場合は、他の公布方法を定めることができる。
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