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私的現代国家論入門。

1 8月と日本人

 8月は日本人にとって特別な月である。
6日は広島、9日は長崎、ソ連参戦、15日はポツダム宣言受諾。
今日はBSで『日本のいちばん長い日』を放送していたので、ついつい最後まで見てしまった。

国体の護持というよく分からない目的のために、日本人が命懸けで奔走できた理由さえ、今の時代、何となく想像することしかできない。
ただ、戦争に負けた国やその国民が、戦勝国やその軍隊によって、どのようなひどい扱いをされるのかという恐怖が、根源だったのではないかと想像できる。
今回は、国家論という観点で、最近の思索をメモしておこうと思う。

2 国家論

 国家論は、政治学的には、国家などの共同体の政体、政治制度について分析する分野である。
古くは、プラトンの『国家』、アリストテレスの『政治学』が有名である。
アリストテレスの「人間はポリス的動物である」という言葉は、非常に有名である。
アリストテレス『政治学』を超コンパクトに要約するPhilosophy Guides

最近は、上記のような古典的な国家論は、あまり真剣に語られない。
一般論としては、いろいろな政治制度があり、民主主義は常にベストではないけれど、他よりマシだから仕方がないという結論が大方支持されている。
そういう分野は、政治学史的には、政治学、経済学における行動科学革命以降、新制度論として研究されたりしている。

3 政治家の徳

 小室直樹先生のお言葉を借りれば、政治家の徳は一般市民の道徳とは違う。
政治家の徳とは、「経世済民」である。
国民の経済生活を守ることが第一である。
平たく言えば、国民みんなが幸せに生活できる国家の維持である。
国体の護持のいかん以前に、戦前の日本はどこかで、「政治家の徳=経世済民」でなくなったタイミングがあったのかもしれない。

あるいは、世界恐慌後の経済的な苦境により、「政治家の徳=経世済民」が信じられなくなった国民が、自由と民主主義の価値を信じられなくなったタイミングと換言できるかもしれない。
前のブログで、戦前の日本と戦争について個人的に真剣に考えて、一定の結論に達したこともあるけれど、今回は別の観点から考えてみたい。

4 失敗国家

 「政治家の徳=経世済民」について考えるとき、極端なケースについて考えてみると、話が分かりやすくなるかもしれない。
極論は諸刃の剣ではあるけれど・・・
国家が国家の体をなしていない、失敗国家である。

経済が破綻してハイパーインフレさえ伴い、治安は極度に悪化。
秩序は失われ、政府と反政府派が内戦状態の場合もある。
汚職がはびこるなどまだマシな方で、暴力、略奪、犯罪は何でもあり。
世紀末でもないのに、まさに北斗の拳状態である。

インフレやデフレ、ハイパーインフレの可能性等、経済学や金融論で専門家によって真剣に語られる話題であるけれど、ハイパーインフレは政府、国家の信用が(完全に)失われたとき起こる現象なのだろう。
ハイパーインフレが起こるほどに国家の信用が毀損されるとはどのようなことなのか、可能であれば経済数学等を駆使して分析できれば、エレガントで学術的に価値がある研究であるというのが、現代経済学の世界のようである。

5 主語の大きな本質論

 本職の経済学研究者のような分析はできないけれど、主語を少し大きくして思考することくらいはできるので、少し試してみようと思う。
以前、「国際政治経済の本質は国際収支である」と書いたことがあるけれど、今もそう思っている。
・私的国際金融論入門。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2019/06/blog-post_12.html

そんなに特異な意見ではなく、昔から議論されてきて、学術的にも社会的にも、今も議論され続けている話題である。
重商主義とか重農主義とか・・・
重商主義世界史の窓

一度世界史の復習がてら、そういう観点から世界の政治経済史を要約してみようかと考えたのだけれど、二匹目のどじょうどころか、二千億匹目のどじょうになるだけなので(どじょうにさえなれないかもしれない)あきらめた。

 世界経済は超長期的には、デフレになるのが自然な傾向なのかもしれない。
経済が成長し、科学や技術が進歩すれば、より多くの人々がその恩恵に預かることができるのだから。
将来世代は「ITデフレ」で今より豊かになる池田信夫 blog

昔、そういう観点から、超長期的な世界の経済史を分析した本を読んだことがあるのだけれど、本の名前や著者を忘れてしまった。

6 経済成長、社会と国家

 科学的な分析ではないけれど、直観的には正しそうなことをいくつか書いてみたい。
経済成長と社会や国家の安定の間には、何らかの相関関係があると思う。

経済が豊かになり社会が豊かになれば、国家は安定する。
治安はよくなり、教育水準が向上し、科学技術が発展する。
貧富の差が縮小すれば、汚職さえ減少し、国民の倫理感や道徳心も向上する。
医療が高度化すれば、乳幼児の死亡率が低下し、平均寿命が伸びる。
結果として、国民の出生率が低下し、学歴が高度化する。

国家が正のスパイラルで先進国になる場合もあれば、負のスパイラルで失敗国家に陥る場合もある。
相関関係と因果関係について慎重に、科学的に分析する必要があるだろう。
政策科学の分野での伸展が、こういう意味での国家論、制度論をリードすることになるかもしれない。

7 移民政策論

 結局、随分前に興味をもって調べていた、移民政策論に回帰することになるとは思わなかった。
・移民政策論の先にあるもの。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2014/09/blog-post_21.html

「問題の根元は「先進国における人口減少」であり、この現象を分析しなければ、移民政策を政治的、政策的に考察してもあまり意味がないのではないか。」
先進国における人口減少方向への圧力に対して、移民を積極的に受け入れて人手不足を補う政策の方が正しいのだろうか。

あるいは、あくまでも労働力の輸入として考えて、外国からの一時的な労働者を徹底的に管理する方が正しいのだろうか。
または、それらの折衷案や全く新しい考え方や政策があり得るのだろうか。
アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、シンガポール等、参考にするべき先行事例は多々ある。

8 イノベーションの終着駅

 「イノベーションで社会が豊かになっても新しい雇用の創出が不十分であるならば、この雇用減少をどう考えるべきかは、確かにこれからも重要なテーマになるだろう。」
・人と仕事の政治経済学、雇用を削減するイノベーションと人手不足社会。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2018/10/blog-post_20.html

その一つの解として、ベーシックインカムが提唱されている。
一般的には、生活保護のようなものを全国民に配付する制度だと解釈されている。
ただ、根本的な発想が少々異なる。
生活保護は、不運にも努力が実らず収入が少ない人を救う制度として機能している。

ベーシックインカムは、将来的にAI等の進歩により、最低限の生活を送るのに必要な所得を、普通の国民に保障するのが一般的な社会が現出する可能性である。
人手不足をイノベーションで解決し、国民の生活を社会制度的に保障する。
正に古くて新しい「国家論」の萌芽なのかもしれない。
そんな時代の狭間で、ダイナミックな国際政治経済の過渡期を、我々は今生きているのだと思う。

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