移民政策論の先にあるもの。

１　人間の交換は価値中立と言い切れるのか

・移民政策論骨子。：https://tanakah17191928.blogspot.jp/2014/08/blog-post_22.html

　Ａ国（人口１億人、総幸福量１００）とＢ国（人口１億人、総幸福量２００）が存在すると仮定する。
Ａ国の一人当たりの幸福量は１００／１億、Ｂ国の一人当たりの幸福量は２００／１億である。
Ａ国の人口だけが２倍に増加して、増加した分だけＢ国に移動したとする。

総幸福量が変化しない単なる流入であれば、価値中立である。
しかし問題なのは、Ｂ国の人口が２倍の２億人になり、「一人当たりの幸福量が半分になる」ことである。

２　コンフリクト発生を容認するほどの理由

　既存の国民の利益、幸福量が、移民の流入により減少するのであれば、既存の国民が移民の流入に賛成する理由がない。
既存の国民と移民の間にコンフリクトが生じるのであれば、政府はそのような政策を選択するべきではない。

それなのに、先進国は移民政策を実行し、中には成功した国もあるだろうが、数々の失敗例が存在するのである。
なぜだろうか。

３　問題の本質

　一般的に移民政策は、人口減少、労働力不足に対する解決方法の一つとして考えられている。
そうであるならば、問題の根元は「先進国における人口減少」であり、この現象を分析しなければ、移民政策を政治的、政策的に考察してもあまり意味がないのではないか。