第52条【憲法、法律及び規則並びに共和国の機関及び象徴を尊重する義務】、第53条【公的財産の不可侵】、第54条【良き統治の原則、横領、腐敗及び類似の犯罪の処罰、公人及び国家公務員の資産の宣誓申告】、第55条【国防及び領域保全の義務、兵役】、第56条【武器の所持及び携帯の禁止】、第57条【環境保護】、第58条【公共の負担】、第59条【義務を免れるための宗教上の信仰及び哲学的意見の援用の禁止】、第60条【在外チャド人の利益の保護、国民生活への参加の推進】、第61条【行政並びに国防軍及び公安部隊の政治的中立】、第62条【人権及び公共の自由の教育】、第63条【国富及び天然資源に対する完全かつ永続的な主権の行使】、第64条【企業の自由】
第2編【自由、基本的権利及び義務】
第2章【義務】
第52条 全ての市民は、憲法、法律及び規則並びに共和国の機関及び象徴を尊重しなければならない。第53条 公的財産は不可侵である。全ての人はこれを尊重及び保護しなければならない。
第54条 公権力は、公的管理における良き統治の原則を推進、遵守及び執行し、横領、腐敗及び類似の犯罪を処罰する義務を負う。
公人及び国家公務員は、就任時及び退任時にその資産を宣誓申告する義務を負う。
法律により、この義務の対象となる公人及び国家公務員の種類並びに宣誓の方式について定めるものとする。
第55条 祖国の防衛及び領域保全は、全てのチャド人の義務である。
兵役は義務である。
この義務を履行するための条件は、法律によって定めるものとする。
第56条 戦争用の武器の所持及び携帯は、国家の全領域において、文民に対して厳格に禁止する。
市民が市民用の武器を所持及び携帯するための条件は、法律によって定めるものとする。
第57条 環境の保護は全ての人の義務である。
国及び自治団体は、環境の防衛及び保護を保障する。
国内の活動から生じる有毒又は汚染の廃棄物の保管、処理及び排出の条件は、法律によって定めるものとする。
外国の有毒又は汚染の廃棄物の国内における輸送、輸入、保管、埋立て又は排出は禁止する。
環境に生じた損害は、公正な補償の対象となる。
第58条 全ての市民は、その収入及び財産に応じて、公共の負担に応じるものとする。
第59条 何人も、国益のために命じられる義務を免れるために、宗教上の信仰又は哲学的意見を援用することはできない。
第60条 国は、外国に在留するチャド人の適法な利益を保護する義務を負う。
外国に居住するチャド人の国民生活への参加を推進するものとする。
第61条 国は、行政並びに国防軍及び公安部隊の政治的中立を保障する。
第62条 国は、人権及び公共の自由を、学校及び大学の教育課程並びに国防軍及び公安部隊の訓練に組み込むものとする。
第63条 国は、国民のコミュニティ全体の幸福のために、全ての国富及び天然資源に対する完全かつ永続的な主権を行使する。
ただし、天然資源の探査及び開発は、民間のイニシアティブに委ねることができる。
第64条 国は、企業の自由を保障する。
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