第111条【国防及び公安部隊の最高指揮官、宣戦布告及び休戦協定】、第112条【上級公務員の任命】、第113条【大使及び特使の信任及び召還、外国の大使及び特使の信任状及び召還状の受領】、第114条【恩赦権】、第115条【勲章の授与】、第116条【非常事態】、第117条【国家反逆罪、大統領の弾劾】、第118条【弾劾中の議会解散の禁止】、第119条【大統領の行政行為に対する訴訟】、第120条【任期満了後の年金並びにその他の特権及び便宜】、第121条【不在及び一時的な障害並びに空位】
第5編【行政府】
第1章【大統領】
第111条 共和国大統領は、国防及び公安部隊の最高指揮官である。政府、国民議会及び元老院の事務局並びに国家安全保障会議と協議した上で、宣戦を布告し、休戦協定に調印するものとする。第112条 共和国大統領は上級公務員を任命する。
組織法により、前項に規定する公務員の種類を定めるものとする。
この憲法の第192条(9)に規定する上級公務員の任命は、元老院の承認を得なければ効力を生じない。
第113条 共和国大統領は、外国における大使及び特使を信任及び召還し、外国からの大使及び特使の信任状及び召還状を受領する。
第114条 共和国大統領は恩赦を与える権利を有する。
第115条 共和国大統領は、国家勲章及び共和国勲章を授与する。
第116条 共和国の機関、国家の独立、領域保全又は国際的な約束の履行が重大かつ急迫の脅威にさらされ、公権力の正常な運営が中断されている場合、共和国大統領は、政府、国民議会及び元老院の事務局、国家安全保障会議並びに憲法裁判所と正式に協議した上で、政令によって非常事態を宣言し、これらの状況が必要とするあらゆる措置を講じることができる。
メッセージによって国民に通知するものとする。
この措置は、憲法上の公権力がその任務を可能な限り速やかに達成するための手段を保障するという意思によるものでなければならない。
この件に関して、憲法裁判所と協議するものとする。
非常権限の行使中、議会を解散することはできない。
第117条 共和国大統領は、国家反逆罪の場合に限り、職務の執行として行った行為について刑事責任を負うものとする。
国家反逆罪は、憲法又は法律に違反して、共和国大統領が、国民統合、社会平和、社会正義及び国家の発展を著しく損ない、又は人権、領域保全並びに国家の独立及び主権に対する重大な侵害を行い、至上の国益に反する行為を故意に行った場合に該当するものとする。
国家反逆罪罪は、高等法院が管轄する。
共和国大統領の告発は、国民議会及び元老院が議会において会議を開催し、秘密投票でその議員の3分の2以上の多数決によって決定した場合のみ、行うことができる。
予審は、共和国検事総長が主宰する、共和国検察庁の3人以上の検察官団のみが行うことができる。
第118条 共和国大統領を国家反逆罪で告発する手続きを議会が開始した場合、共和国大統領は、司法手続が終了するまで、これを解散することができない。
第119条 共和国大統領の行政行為は、その裁量権の範囲内の行為を除いて、管轄裁判所において争うことができる。
第120条 共和国大統領は、国家反逆罪で有罪判決を受けた場合を除いて、その任期の満了後に、年金並びに法律の定めるその他の全ての特権及び便宜を受ける権利を有する。
第121条 共和国大統領の不在又は一時的な障害の場合、共和国副大統領が日常の職務を代行し、これが不在の場合は首相が代行するものとする。
辞任、死亡又は大統領の職務を確定的に停止するその他の理由によって空位が生じた場合、国民議会議長が代行し、これがその職務を代行できない場合、共和国副大統領及び政府が共同で代行するものとする。
空位は憲法裁判所が認定し、共同で代行する共和国副大統領及び政府が付託するものとする。
暫定当局は、新しい政府を形成することはできない。
共和国副大統領及び政府は辞職したものとみなされる。新しい政府が発足するまでの間、日常職務の遂行のみを行うことができる。
新たな共和国大統領の選挙は、憲法裁判所が認定する不可抗力の場合を除いて、空位の認定後1か月以上3か月以内に実施するものとする。
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