第138条【市民サービス】、第139条【市民サービスの基本的価値観及び指針】、第140条【市民サービス委員会】、第141条【職員法務部】
第9編【市民サービス、独立機関及び委員会】
第1章【市民サービス】
第138条 国民政府は、全ての職員によって構成される市民サービスを設置する。その職員は、法律に従って割り当てられる職務を公平に遂行しなければならない。2 事務次官を含む公務員は、あらゆる階層の政府において、学歴、専門的訓練、経験、能力及び実力に基づいて採用、任命され、昇任するものとする。
3 法律により、市民サービスの職員の勤務条件、任務及び権利について定めるものとする。
第139条 市民サービスは、特に以下の価値観及び原則によって管理されるものとする。:
(a)実力及び訓練に重点を置くことにより、高い水準の職業倫理を推進及び維持する。
(b)資源の効率的、経済的及び効果的な利用を促進する。
(c)市民サービスは開発志向でなければならない。
(d)サービスは、宗教、民族、地域、ジェンダー、健康状態又は身体的障害に基づく偏見又は差別なしに、公平、公正かつ衡平に全ての人に提供しなければならない。
(e)国民のニーズに適切に対応し、国民が政策決定に参加するよう奨励する。
(f)市民サービスは、適切な階層の政府に対して説明責任を負うものとする。
(g)国民に適時に、アクセス可能で正確な情報を提供することにより、透明性を促進する。
(h)人材の潜在能力を最大限に引き出すための、優れた人材管理及びキャリア開発の実践を定着させるものとする。
(i)市民サービスは、南スーダン国民を広く代表し、能力、客観性、職業に対する公正な競争、及びアファーマティブ・アクションを通して幅広い代表性を達成するために、過去の不均衡を是正する必要性に基づく雇用及び人事管理の実践を行うものとする。
(j)特別な支援を必要とする者に、専門的かつ適切な訓練の機会を提供するものとする。
(k)市民サービスは、法律に従って運営及び組織され、政府の政策を実施する。
(l)市民サービスは政党政治に関与してはならない。いかなる公務員も、その政治的意見を理由に優遇され、又は不利益を被ってはならない。
(m)公選の役職に立候補する公務員は、市民サービスにおける官職を辞任しなければならない。
(n)あらゆる階層の政府は、この憲法及び法律に定める統一的な規範及び基準を指針として、その行政における市民サービスの採用、任命、昇任、異動及び解任に責任を負うものとする。
2 市民サービスの雇用条件は、法律によって定めるものとする。
第140条 市民サービス委員会を設置する。委員会は、能力、経験、誠実性及び公平性を認められた人物によって構成される。
2 委員長、副委員長及び委員は、この憲法及び法律に従い、大統領が任命する。
3 市民サービス委員会は、公的なサービス、雇用及び職員に関する政策の立案及び実施について、国民政府に助言を行うものとする。
4 委員会は、独立かつ公平でなければならない。効果的かつ効率的な市民サービス及びその高い水準の職業倫理の維持のために、恐れ、好意又は偏見を有することなく、その権限を行使し、職務を遂行するものとする。
5 委員会の組織、構成、職務、権限並びに委員長、副委員長、委員及び職員の勤務条件は、法律によって定めるものとする。
第141条 国家職員法務部を設置する。法務部は、部長、副部長及び能力、経験、誠実性及び公平性を認められた部員によって構成される。
2 法務部の部長、副部長及び部員は、この憲法及び法律に従い、大統領が任命する。
3 法務部は、裁判所に提訴し、又は市民サービス委員会の手続きを尽くす権利を損なうことなく、市民サービスの職員からの苦情を審議及び決定する権限を有する。
4 法務部は、正義を保障するために適切と認める勧告又は救済案を大統領に提出するものとする。
5 法務部の組織、構成、職務、権限並びに部長、副部長、部員及び職員の勤務条件は、法律によって定めるものとする。
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