第145条【人権委員会の設置】、第146条【委員会の職務】
第9編【市民サービス、独立機関及び委員会】
第4章【人権委員会】
第145条 人権委員会と称する独立委員会を設置する。2 委員長、副委員長及び委員は、国民立法議会の出席議員の単純多数決による承認を得て、大統領が任命する。
3 委員長、副委員長及び委員は、誠実性、能力、無党派及び公平性を認められた人物でなければならない。
4 委員会は、あらゆる階層の政府の関係機関及びその他の団体の代表者又は個人若しくは団体に対して、委員会への出頭又はその調査に関連する文書若しくは記録の提出を求める召喚状又はその他の命令を発行する権限を有する。
5 委員会は、必要な場合、政府の代表者又は個人若しくは団体に対して、審議への出席を要求することができる。
第146条 委員会の職務は以下のとおりとする。:
(a)この憲法に掲げる権利及び自由の適用及び執行を監視する。
(b)人権及び基本的自由の侵害について、独自の判断で、又は個人若しくは集団による苦情に基づいて調査する。
(c)被収容者の状況を評価及び検査する目的で、警察の留置場、刑務所及び関連施設を訪問し、関係当局に勧告を行う。
(d)人権及び基本的自由の尊重を強化するための研究、教育及び情報の継続的なプログラムを確立する。
(e)人権及び基本的自由を推進するための効果的な措置を国民立法議会に勧告する。
(f)南スーダン国民の基本法としてのこの憲法の規定に対する社会の認識を醸成及び維持する。
(g)あらゆる形態の虐待及び侵害から人権及び基本的自由を擁護するよう国民を教育及び奨励する。
(h)市民にその責任を自覚させ、市民としての権利及び義務を理解させるためのプログラムを策定、実施及び監督する。
(i)南スーダン共和国が批准した国際的及び地域的な人権条約及び協定の、あらゆる階層の政府における遵守を監視する。
(j)人権及び基本的自由に関するあらゆる問題について、政府機関に対して意見を表明し、又は助言を行う。
(k)法律の定めるその他の職務を遂行する。
2 人権委員会は、その調査結果について定期的に報告書を発行し、人権及び基本的自由の状況に関する年次報告書を国民立法議会に提出するものとする。
3 委員会の組織、構成、職務、権限並びに委員長、副委員長、委員及び職員の勤務条件は、法律によって定めるものとする。
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