第182条【南スーダン銀行の設立】、第183条【南スーダンで流通する通貨】、第184条【借款】
第12編【財政及び経済】
第6章【南スーダンの銀行業務】
第182条 南スーダンに南スーダン銀行と称する中央銀行を設立する。この憲法及び法律に従って銀行業務を提供する。銀行は独立法人とする。2 南スーダン銀行は、金融政策の立案及び実施に責任を負うものとする。
3 南スーダン銀行は、以下の事項に関して、南スーダンにおける国の金融政策の実施を規制及び監督するために、同銀行が開発した市場に基づく銀行手段を使用するものとする。:
(a)金融政策の立案。
(b)通貨の発行。
(c)物価の安定の推進及び維持。
(d)安定した為替レートの維持。
(e)健全で、効果的かつ効率的な銀行及び信用制度の維持。
(f)南スーダンの金融機関の認可及び監督。
(g)法律の定めるその他の職務の遂行。
4 南スーダン銀行は、その職務の遂行及び権限の行使において、独立していなければならない。
5 全ての金融機関は、南スーダン銀行が定める規則及び規制並びに国際的に認められた金融に関する規制及び財務基準に従うものとする。
6 全ての金融機関は、南スーダン銀行が定める金融政策を実施する義務を負う。
7 南スーダン銀行の長は総裁が務め、2人の副総裁が補佐するものとする。国民立法議会の出席議員の3分の2以上の多数決による承認を得て、大統領が任命する。
8 南スーダン銀行総裁は、理事会と協議した上で、法律に従い、南スーダン銀行内のその他の上級職員を任命するものとする。
9 南スーダン銀行に理事会を設置する。大統領が任命し、以下の9人の理事によって構成される。:
(a)南スーダン銀行総裁。議長を務める。
(b)2人の副総裁。
(c)非執行役員で、高度の資格、能力及び経験を有する南スーダン人で、銀行の職員でない者6名。
10 理事会は銀行の最高政策決定機関であり、総裁に対して責任を負うものとする。
11 顧客の利益に悪影響を及ぼす恐れがある事項に関する理事会の決定は、コンセンサスによるものとする。
12 総裁、副総裁、その他の理事及び銀行のその他の職員の任期及び勤務条件は、法律によって定めるものとする。
第183条 南スーダン銀行は、南スーダンの法定通貨を発行する専属的権利を有する。そのデザインは、国の歴史及び文化の多様性を反映したものとする。
2 南スーダン銀行の勧告により新しい通貨が発行されるまで、南スーダンにおいて流通している通貨を法定通貨として認めるものとする。
第184条(a)国及び州の政府は、その議会の承認を得て、資金を借り入れることができる。その議会は、法律により、一定の種類の融資について承認の要件を免除することができる。この場合、規定する条件に従い、融資の金銭的価値の範囲を決定するものとする。
(b)国民政府又は南スーダン銀行は、州政府の事前の承認なしに、その借入金を保証してはならない。
2 国及び州の政府は、その信用力に応じて、外国から資金を借り入れることができる。
3 州政府による外国からの借入金は、国のマクロ経済政策を損なわない方法で、対外的な財政の持続可能性を維持するという目的に合致するものでなければならない。国及び州の政府の全ての外国からの借入金は、南スーダン銀行の仕様に準拠するものとする。
4 国及び州の政府は、統計目的のために、南スーダン銀行に対して、そのような融資に関する金融財政データを報告しなければならない。
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