ボッコちゃんを殺そうとした青年は殺人未遂となるのか。
1 論点 以前NHKで、 星新一の不思議な不思議な短編ドラマ の『ボッコちゃん』を見たことがある。 ショートショートであらすじをそのまま書くとネタバレになってしまうので、疑問点だけ簡潔に書こうと思う。 アンドロイドを人間だと思って殺そうとした青年に、殺人未遂は成立するのだろうか? ちなみに、他の人間が死んだことに関しては、相当因果関係がないと考えてよいと思う。 2 不能犯 か? 未遂犯 か? 行為無価値 の方に振ると殺人未遂が成立しそうであるけれど、 結果無価値 の方に振ると不能犯(不可罰)となりそうである。 この事例を、刑法の教科書や講義に出てきそうな話に変えてみる。 たとえば、ノイローゼ気味の猟師が茂みに隠れている鹿を、憎んでいる同業者だと思い込んで発砲し、見事に鹿を撃ち殺した場合。 以下、各説及び判例・通説を検討し、自説を展開するべきなのだろうけれど、そこまで刑法が好きではないのでここまでとしたい。 ・ 【学ぼう‼刑法】不能犯論における具体的危険説の正しい使い方 杉山博亮(note)