第38条【独自の規則を採択する権限】、第39条【議会による国勢調査の許可】、第40条【議会の延会】、第41条【議事執行の言語】、第42条【議員の免責】、第43条【議会の弾劾権】、第44条【議会に対する侮辱】、第45条【元老議員の任期】、第46条【元老議員の任期のずらし】、第47条【元老院役員の選出】、第48条【代議員の任期】、第49条【代議院役員の選出】
第5章【立法府】
第38条 各議院は独自の手続規則を採択し、秩序を執行し、全議員の3分の2以上の同意により、理由ある議員を除名することができる。各議院は、独自の委員会及び小委員会を設置する。ただし、歳入及び歳出予算に関する委員会は、各郡から1人の委員によって構成されるものとする。議会が採択する規則は全て、この憲法に定める適正手続の要件に適合するものでなければならない。第39条 議会は、10年ごとに共和国の国勢調査を実施させなければならない。
第40条 議院は、他の議院の同意がなければ、5日を超えて延会してはならない。両議院は常に、同一の都市に所在するものとする。
第41条 議会の議事は英語により、又は十分な準備が整っている場合、議会の決議によって承認される共和国の言語のうち1つ以上の言語によるものとする。
第42条 元老院又は代議院の議員は、その職務の執行として表明した意見又は投票の結果として、逮捕、拘禁、訴追され、又は裁判にかけられることはない。議員は、国家反逆罪、重罪又は平和に対する罪を除いて、議会の会議への出席中又は往復中、逮捕されない特権を有する。議会の会議場におけるあらゆる公式の行為及び発言は特権の対象とし、いかなる議員も、そのために責任を追及され、又は処罰されることはない。
第43条 弾劾法案を作成する権限は代議院にのみ帰属し、全ての弾劾を裁判する権限は元老院にのみ帰属する。大統領、副大統領又は最高裁判所裁判官が裁判にかけられる場合、最高裁判所長官が裁判長を務める。最高裁判所長官又は下級記録裁判所の裁判官が裁判にかけられる場合、元老院議長が裁判長を務めるものとする。何人も、元老院の総議員の3分の2以上の同意がなければ、弾劾されることはない。そのような事件の判決は、解任及び共和国において公職に就く資格の喪失を超えてはならない。議会は、適正手続の要件に適合する弾劾手続を定めるものとする。
第44条 議会に対する侮辱は、立法職務を妨害する行為又は議会の議員若しくは役員の立法任務の遂行を妨害若しくは阻害する行為で構成される。関係議院は、適正手続に適合する審理後に、妥当な制裁によって処罰することができる。いかなる制裁も、それを科す議会の会期を越えてはならない。科される制裁は、憲法に定める基本的権利に関する規定に従わなければならない。議員と非議員の間の紛争で、裁判所において適切に認定するものは、議会において取り扱い、又は審理してはならない。
第45条 元老院は、各郡の登録有権者によって9年の任期で選出される元老議員によって構成される。ただし、死亡、辞任、除名又はその他によって生じた欠員を補充するための補欠選挙で選出された元老議員は、未了の任期の残りのみを務めるために選出される。各郡は2人の元老議員を選出し、各元老議員は元老院において1票を有するものとする。元老議員は再選する資格を有する。
第46条 この憲法の施行前の選挙後に元老院が開催した直後に、元老議員は、各郡における投票の結果、2つのカテゴリーに分けられる。得票数の多い元老議員は、その郡の元老議員と同じカテゴリーに所属する。第1カテゴリーの元老議員の議席は、9年目の満了時に欠員となる。議会の継続性のために、第2カテゴリーの元老議員は、最初の選挙後に、最初の任期を6年間のみ務めるものとする。その後、全ての元老議員は9年の任期で選出される。
第47条 元老院は6年に1度、元老院議長が不在の場合に議長を務める臨時議長及び元老院の適切な運営を保障するための役員を選出する。選出された臨時議長及びその他の役員は、元老院議員の3分の2以上の多数決による決議で解任することができる。
第48条 代議院は、各郡の選挙区の登録有権者によって選出される議員によって構成され、その任期は6年とする。ただし、死亡、辞任又はその他の事由によって生じた欠員を補充するための補欠選挙によって選出された代議院議員は、未了の任期の残りのみを務めるために選出される。代議院議員は再選する資格を有する。
第49条 代議院は6年に1度、その主宰者である議長、副議長及び議院の適切な運営を保障するその他の役員を選出する。選出された議長、副議長及びその他の役員は、議院の議員の3分の2以上の多数決による決議で解任することができる。
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