第143条【最高管轄権、任務】、第144条【管轄権】、第145条【選挙及び国民投票の正当性】、第146条【裁判期間】、第147条【判決の効力】、第148条【構成】、第149条【組織及び運営、付託の方法並びに手続き】
第5編【憲法院】
第143条 憲法院は憲法問題の最高管轄権を有する。組織法及び普通法の合憲性について判決する。諸機関の運営に関する監督機関である。
第144条 憲法院は、以下の事項に関して、主権的な決定権を有する。:
・法律、国際条約及び協定の合憲性。
・施行前の国民議会の内部規則が憲法に適合するか否か。
・国家機関間、国と州の間及び州間の権限に関する紛争。
・選挙に関する紛争。ただし、議会選挙及び地方選挙の立候補に関する紛争は例外であり、行政裁判所の管轄とする。
事案は、共和国大統領、国民議会議長又は代議員の3分の1によって憲法院に付託される。
州行政府の長は、その州の利益にかかわる事案を憲法院に付託することができる。
全ての人は、自己に関係する事件で裁判所において違憲の訴えを提起することにより、憲法院に事案を付託することができる。
法律並びに国際条約及び協定は、その公布前に、上記の第2項の規定に従い、共和国大統領、国民議会議長又は代議員の3分の1及び州行政府の長が憲法院に付託することができる。
憲法院に付託された場合、公布期間は停止する。
憲法院は、その管轄事項について意見を表明するものとする。
第145条 憲法院は、大統領選挙、議会選挙、地方選挙及び国民投票の正当性を保障する。その結果を宣言する。
上記の第1項の選挙の正当性について争いがある場合、候補者、その選挙区において選挙に参加した政党又はその選挙において政府の代理人としての資格を有する者は、これを憲法院に付託することができる。
国民投票の正当性について争いがある場合、共和国大統領、国民議会議長又は代議員の3分の1は、これを憲法院に付託することができる。
第146条 全ての付託事件について、憲法院は15日以内に判決を下すものとする。
ただし、共和国大統領の要求により、この期間を8日に短縮することができる。
第147条 憲法院の判決に対して上訴することはできない。公権力、全ての行政、軍事及び司法当局並びに全ての自然人又は法人を拘束する。
違憲と宣言された法律は、公布又は適用することができない。
第148条 憲法院は11人の構成員によって構成される。その任期は9年とし、再任することはできない。憲法員と称する。
憲法院の構成員は、専門家として名声のある人物から選任される。
高潔な人格及び能力を認められ、10年以上の専門職の経験を有する者でなければならない。
共和国大統領によって任命される憲法院の構成員は、以下の方法で事前に指名されるものとする。:
・3人は共和国大統領による。
・3人は国民議会議長による。
・2人は互選によって選出される法学教授。
・2人は互選によって選出される裁判官。
・1人は互選によって選出される弁護士。
この中から院長及び副院長を選出する。選出は共和国大統領令によって承認される。
上記によって選出される11人の構成員に加えて、元大統領は当然憲法院の諮問構成員となる。
可否同数の場合、憲法院長が決定票を有する。
構成員が死亡若しくは辞任した場合、又は特に退職若しくは法律の定める管轄機関が正式に認定する最終的な有罪判決など、その他の理由で執務不能となった場合、その構成員は指名権を有する当局又は機関によって補充される。そうして任命された構成員は、残りの任期を全うする。
憲法院の11人の構成員は全て、再任することができる。
憲法院の構成員は、厳粛な場において共和国大統領の前で宣誓を行うものとする。
憲法院の構成員の職務は、政府閣僚、国民議会議員又は破毀院裁判官の職務と両立しない。
兼任及び兼職の禁止、義務、免責及び特権などの地位については、法律によって定めるものとする。
第149条 憲法院の組織及び運営、付託の方法並びに手続きは、法律によって定めるものとする。
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