平成26年度愛知県公立高校入試(A)国語問4【漢文】
1 原文
楚の荘王、詹何に問ひて曰はく、「国を治むること奈何。」と。対へて曰はく、「何は身を治むるに明らかなれども、国を治むるに明らかならず。」と。
楚王曰はく、「寡人、宗廟社稷を立つるを得たり。願はくは、之を守る所以を学ばん。」と。
詹何対へて曰はく、「臣、未だ嘗て身治まりて国の乱るる者を聞かず。
未だ嘗て身乱れて国治まる者を聞かず。
故に本は身に在り。敢へて対ふるに末を以てせず。」と。
楚王曰はく、「善し。」と。
(『淮南子』より)
2 現代語訳
楚の荘王は、詹何に質問して言った。「国を治めるにはどうすればよいか。」何は答えて言った。「私は身の治め方はよく知っておりますけれども、国の治め方はよく知りません。」
楚王は言った。「私は、国を打ち立てることができた。願わくは、これを守る方法を教えてもらいたい。」
詹何は答えて言った。「私は、未だ嘗て、君主の身が治まって行いが立派であるのに、国が乱れているという話を聞いたことがありません。
未だ嘗て、君主の身が治まらず行いが乱れているのに、国が治まっているという話を聞いたことがありません。
故に、根本は身を治めることに在ります。そこで末節のことはお答えしかねます。」
楚王は言った。「なるほど、もっともだ。」
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