アドラー心理学。
1 自己啓発の源流
友人に薦められたので、『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』を読んでみた。・嫌われる勇気(Amazon)
・幸せになる勇気(Amazon)
『嫌われる勇気』は、アドラー心理学の古典的な入門書として有名である。
アドラー心理学については、ネットで断片的な情報を読んで多少知っていたし、『嫌われる勇気』は名前だけは知っていたのだけれど、今回この機会に読むことができてよかった。
まさに自己啓発の源流のような存在であり、自己啓発的な情報を収集してきた人には、どこかで聞いたことがある話が、体系的にまとめられているような本だと感じるだろう。
2 時代の100年先を行く思想、哲学
自己啓発と言うと、よく分からないセミナーやイベント、研修などを連想するかもしれないけれど、アドラー心理学はもちろん心理学であり、思想でもあり、哲学でもある。僕がこれまでの数十年の人生で、悩み苦しみながら体得してきた真理が、体系的に美しくまとめられている。
人生に正解はないので、自分なりの解答を書き上げるしかないと思って一生懸命書いてきて、ようやくそれなりに読める形になってきたと思ったら、それよりも体系的で美しく洗練されたものが、はるか昔に書き上げられていたような感じである。
最初からアドラー心理学に出会っていれば、人生で悩みさまようこともなかったのではないかと思えるほどの教えではあるけれど、それは結果論である。
人や本との出会いのタイミングは、偶然であり必然である。
3 「愛と勇気だけがともだちさ」
アドラー心理学に限らず、心理学、(精神)医学などがどんなに発達したとしても、人間はやはり、悩みながら生きていくしかないのだろうけれど、学問や科学の発展は人間の生活を豊かにしてくれる。僕自身も今後やはり、悩みながら進んでいくことになるのだろう。
それでも、こういう本との出会いが何かを変えて、人生を少しずつ楽しくしてくれるのかもしれない。
”神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えて下さい。”
(『ニーバーの祈り』より)
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