虚業と実業。
1 ホリエモン
今の若い人は、ホリエモンの過去をよく知らずに、ネット上で有名なエッジの効いたおっさんとしか認識していないかもしれない。2000年代、彼は正に時代の寵児としてもてはやされたけれど、ライブドア事件で実刑判決を受けて刑務所に入れられてしまう。
その後復活して、また有名人としていろいろ活躍しているけれど、ジェットコースターのような人生を歩んでいる。
2000年代はIT時代の黎明期で、ホリエモンに限らずネット関係の会社の起業家は、古い世代から虚業家扱いされていた。
2 虚業
何が虚業で何が実業かは、相対的なものであり、案外見極めが難しい。・若い経営者そのものがビジネスモデル!本当に儲かるのはバックの出資者だ(YouTube)
ビジネスに限らず、人気があるかどうかが成功の鍵となったりする。
みんながYouTuberの動画を視聴したり、ブロガーのブログを読んだりするのは、それが人気があって有名だからだろう。
有名人が奨める情報商材を購入してしまう人々さえいる。
芸能人のような有名人が、YouTubeを始めたりブログを始めればたちまちファンが殺到するし、本やエッセーを出版すれば多くのファンが買うだろう。
何とも不公平な世の中だけれど、それでもまだまだ無名なチャレンジャーたちが、有名になってお金を稼ぐために夢を追っている。
3 人気稼業
真面目なコンテンツをこつこつ作る人よりも、倫理的、道徳的にぎりぎりのところを攻めたり、美女が露出を増やしたりするだけで注目されたりするのだから、不条理な世の中をそのまま反映しているかのようである。ネットに限らず、アイドルと握手したりお話しするために、一生懸命働いて稼いだお金をつぎ込む人もいるし、それこそ夜のお店で散財する人もいる。
女性でもホストにはまる人もいる訳で、男性も女性も関係ないのかもしれない。
昔から人気で左右される商売は、水商売と揶揄された。
その語源は、流れる水のように不安定だからという説が有力だけれど、お酒などを氷や水で割って提供するようなお店だからという説もある。
4 どう生きるか
真面目な人は実業を志すべきなのかと言えば、今の世の中、何とも言えない。みんなと同じように学校に行って勉強し、みんなと同じように就職活動して、みんながいい会社だと認める会社で働いて、結婚したり子育てしていればやがて定年だという、昭和世代から引き継がれた価値観と人生設計が、普遍的ではなくなってきた。
それはむしろ高度経済成長期だから通用したに過ぎず、昭和の価値観が特異だったのだと言う人もいる。
これからどう生きるべきかを考察する本が売れる時代だけれど、最終的には自分で考えて行動して答えを描くしかない。
自分の価値観と自分の人生を見出せるまで。