テンソルとは何か。
1 テンソルとは?
複雑な事項について勉強を進めていくと、いつの間にかその概念が有するそもそもの意義を見失いがちなので、ここにメモ。そもそもテンソルとは、線形的な量や幾何概念を一般化したもので、基底を選べば多次元の配列として表現できるものである。
以下、「階数2のテンソル=行列」という早とちりについて整理しておきたい。
2 行列とは?
そもそも行列とは、数等を縦と横に並べたものである。何の規則性もなく意味もない数字や文字を、適当に並べたって行列である。
高校数学から行列が消えてから久しいけれど、たとえば今でも高校数学で勉強する数列。
数列はそもそも数の列であり、何の規則性も意味もない数の列も数列である。
何の規則性も意味もない数列は勉強しようがないので、規則性のある数列を勉強するのだけれど、そうするとみんないつの間にか規則性のあるものが数列だと思い込んでしまう。
行列の場合も、数字や文字を適当に並べて作ったものでも行列である。
しかし、そのように適当に作った行列でも、ベクトル空間、線形写像、座標変換など数学的に重要な性質を有していたりする。
多分、その形状(矩形)と演算方法が決まっているからだと思う。
3 テンソルの階数
スカラーは大きさであり、階数0のテンソルと解釈される。ベクトルは大きさと方向であり、階数1のテンソルと解釈される。
テンソルは、ベクトルの自然な拡張と考えることもできそうである。
それでは、「階数2のテンソル=行列」はなぜ早とちりなのか?
まず、(階数2の)テンソルの表現は、行列に限らない
(テンソルを数の配列の高次化と見れば、行列の一般化と捉えることもできる)。
そして、行列であればテンソルという訳でもない
(3次の正方行列と3次元ベクトルの演算は、階数2のテンソルの変換則を満たすけれど)。
あえてベン図を書いてみた。(3次の正方行列と3次元ベクトルの演算は、階数2のテンソルの変換則を満たすけれど)。
4 参考
まだ理解が不十分なのは自覚しているので、少しずつ勉強していきたい。・【基礎】たぶんこの世で一番やさしいテンソルの話 基礎の基礎(スタディヘルプ)
・テンソルの概念(物理のかぎしっぽ)
・テンソルとは何か Part.1(高校数学の美しい物語)