R3年度第2回高認化学基礎大問5解説
大問5【化学反応】
問1【中和滴定】
一定量の濃度のわからない酢酸水溶液に、濃度が正確にわかっている水酸化ナトリウム水溶液を滴下する。このとき、過不足なく中和するのに必要な水酸化ナトリウム水溶液の滴下量から酢酸水溶液の濃度を求めることができる。
次の図のようなビュレットとよばれる器具を用いて滴下量を測定する。
この器具の目盛りは一番上が0mLになっており、下に行くにしたがって目盛りの値は増えていく。
例えば、滴下前の目盛りが6.00mL、滴下後の目盛りが12.00mLを示していたのであれば、滴下量は6.00mLとなる。
このビュレットを蒸留水でよく洗った後、内壁が水でぬれた状態で使用した場合と、乾いてから使用した場合を比べると、過不足なく中和するのに必要な水酸化ナトリウム水溶液の滴下量は異なる。
問2【塩のもとになった酸・塩基】
塩を水に溶かした水溶液のうち酸性を示すものはどれか。・塩:塩化ナトリウム$\mathrm{NaCl}$(強酸と強塩基からできた塩なので、中性)
塩のもとになった酸:塩酸(塩化水素)$\mathrm{HCl}$(強酸)、塩のもとになった塩基:水酸化ナトリウム$\mathrm{NaOH}$(強塩基)
・塩:塩化アンモニウム$\mathrm{NH_4 Cl}$(強酸と弱塩基からできた塩なので、酸性)
塩のもとになった酸:塩酸(塩化水素)$\mathrm{HCl}$(強酸)、塩のもとになった塩基:アンモニア$\mathrm{NH_3}$(弱塩基)
・塩:塩化カルシウム$\mathrm{CaCl_2}$(強酸と強塩基からできた塩なので、ほぼ中性)
塩のもとになった酸:塩酸(塩化水素)$\mathrm{HCl}$(強酸)、塩のもとになった塩基:水酸化カルシウム$\mathrm{Ca(OH)_2}$(強塩基)
塩のもとになった酸:塩酸(塩化水素)$\mathrm{HCl}$(強酸)、塩のもとになった塩基:水酸化カルシウム$\mathrm{Ca(OH)_2}$(強塩基)
・塩:酢酸ナトリウム$\mathrm{CH_3 COONa}$(弱酸と強塩基からできた塩なのでアルカリ性)
塩のもとになった酸:酢酸$\mathrm{CH_3 COOH}$(弱酸)、塩のもとになった塩基:水酸化ナトリウム$\mathrm{NaOH}$(強塩基)
・塩:硫酸ナトリウム$\mathrm{Na_2 SO_4}$(強酸と強塩基からできた塩なので中性)
塩のもとになった酸:硫酸$\mathrm{H_2 SO_4}$(強酸)、塩のもとになった塩基:水酸化ナトリウム$\mathrm{NaOH}$(強塩基)
問3【金属のイオン化傾向】
金属イオンを含む水溶液に、その金属よりもイオン化傾向の大きい金属を入れると、入れた金属は陽イオンになって溶け出し、水溶液中の金属イオンは金属として析出する。次の水溶液にそれぞれの金属を入れたとき、表面に金属が析出するものはどれか。
※ 金属のイオン化列:$\mathrm{Li > K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > (H_2) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au}$
・$\mathrm{Na > Cu}$、$\mathrm{Na > Ag}$、$\mathrm{Cu > Ag}$、$\mathrm{Cu < Fe}$(銅$\mathrm{Cu}$が析出)、$\mathrm{Ca > Cu}$
問4【電池の構造】
次の図は、金属単体を電極として用いた電池の構造を模式的に表したものである。・電極Aの金属と電極Bの金属とでは、電極Aの金属の方がイオン化傾向が大きい。(よって、間違っている。×)
・電極Bでは還元反応が起こる。(正しい。○)
・電極Aと電極Bに同じ金属を用いると、電流は流れない。(よって、間違っている。×)
・電流の向きは図の電子の流れと逆の向きである。(よって、間違っている。×)
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・電極Bでは還元反応が起こる。(正しい。○)
・電極Aと電極Bに同じ金属を用いると、電流は流れない。(よって、間違っている。×)
・電流の向きは図の電子の流れと逆の向きである。(よって、間違っている。×)
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