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R4年度第2回高認化学基礎大問4解説

大問4【物質量と化学反応式】

問1【原子量】

花子先生:「原子1個の質量はとても小さく、そのままの値では扱いにくいことがあります。そこで原子の質量を表すのに、基準として決めた原子の質量と比較して求めた相対値を用います。現在、原子の相対質量の基準は質量数12の炭素$^{12} \mathrm{C} = 12$としています。」
太郎さん:「いま、『現在』とおっしゃいましたが、基準が違ったこともあるんですか。」
花子先生:「はい、過去には水素$\mathrm{H} = 1$、酸素$\mathrm{O} = 100$や$\mathrm{O} = 16$を基準としていたこともありました。」
太郎さん:「$\mathrm{O} = 100$を基準にすると値がずいぶん大きくなりますね。たとえば、硫黄$\mathrm{S}$原子の質量が酸素の2倍であったとしたら、硫黄の相対質量は200となります。同様に、$\mathrm{O} = 16$を基準にした場合は、硫黄の相対質量は32となり、今の硫黄の原子量と近い値ですね。では、なぜ基準をさらに$^{12} \mathrm{C}$原子に変更したのですか。」
花子先生:「$^{16} \mathrm{O}$、$^{17} \mathrm{O}$、$^{18} \mathrm{O}$の発見で混乱が生じたことが原因の一つだったようです。」
太郎さん:「同位体ですね。基準をはっきり明記することの重要性がわかったような気がします。今日の学習で化学の歴史への興味も増しました。」

問2【物質量】

 $6.0 \times 10^{23}$個の粒子の集まりを1つのまとまりとして表した物質の量を物質量といい、その単位はmolである。物質を構成する粒子1mol当たりの質量をモル質量といい、単位はg/molである。

問3【気体の体積】

 次の文は、気体の体積についての花子先生と太郎さんの会話である。文中の空欄に当てはまる数値として最も適当な組合せはどれか。ただし、原子量は$\mathrm{C} = 12$、$\mathrm{O} = 16$とする。

花子先生:「この白い固体はドライアイスで22gあります。これは$\mathrm{CO_2}$何molですか。」
太郎さん:「$\mathrm{CO_2}$は分子量が44ですから、ドライアイス22gは$\mathrm{CO_2}$0.50molとなります。」
花子先生:「標準状態(0℃、$1.01 \times 10^5$Pa)で気体分子1molの体積は、気体の種類によらず約22.4Lでしたね。では、このドライアイスが標準状態で、すべて昇華して気体になった時の体積を考えてください。」
太郎さん:「ドライアイス22gは$\mathrm{CO_2}$0.50molですから、気体の二酸化炭素の体積は標準状態で約11.2Lとなります。」

問4【マグネシウムと希塩酸の反応】

 マグネシウム$\mathrm{Mg}$と希塩酸$\mathrm{HCl}$を反応させると水素$\mathrm{H_2}$が発生する。その反応は次の化学反応式で表される。
   $\mathrm{Mg} + 2\mathrm{HCl} \longrightarrow \mathrm{MgCl_2} + \mathrm{H_2}$
4つのフラスコに同じ物質量の$\mathrm{HCl}$を含む希塩酸を入れ、マグネシウム1.2g、2.4g、3.6g、4.8gをそれぞれのフラスコに加え十分に反応させた。次の表はそれぞれの反応で発生した水素の物質量を表したものである。この実験結果をもとに作成したグラフとして最も適当なものはどれか。ただし、原子量は$\mathrm{Mg} = 24$とする。
・③のグラフである。

令和4年度第2回高認化学基礎過去問解説に戻る。

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