第136条【高等法院】、第137条【弾劾手続】、第138条【高等法院の構成】、第139条【高等法院における罪刑法定主義】、第140条【組織法によって定める事項(高等法院)】、第141条【共和国司法院】、第142条【共和国司法院の構成】、第143条【共和国司法院における罪刑法定主義】、第144条【組織法によって定める事項(共和国司法院)】、第145条【その他の特別裁判所】
第6編【司法権】
第5章【高等法院、共和国司法院及びその他の特別裁判所】
第136条 高等法院は、非常設の特別裁判所である。宣誓違反又は国家反逆罪の事件について、共和国大統領を裁判する。
第137条 共和国大統領は、事件が付託された国民議会及び元老院において、代議員の3分の2以上又は元老議員の3分の2以上の多数決により、告発される。判決は、公開の同一投票で、各議院の議員の3分の2以上の多数決によって下される。
両議院の間で意見の不一致がある場合、元老院及び国民議会の議長は、共通意見を提案する合同委員会を招集する。
意見の不一致が継続する場合、国民議会が最終的に決定するものとする。
場合に応じて、両議院議長又は国民議会議長が、事件を高等法院に付託するものとする。
第138条 高等法院は、13人の裁判官によって構成される。その内訳は、裁判官最高会議が任命する刑事部の上級裁判官7名、議会が選出する議会議員6名とする。議会議員は、国民議会が4名、元老院が2名で、議会の各議院における政治的構成を反映するように、議会会派の人数に比例して配分される。
高等法院の院長及び副院長は、第1項の裁判官の中から、この機関の全ての構成員によって選出される。
第139条 高等法院は、共和国大統領の裁判及び宣誓違反の裁判を除いて、犯罪及び軽罪の定義並びに実行時に施行されていた刑法による刑罰の決定に拘束される。
第140条 高等法院の運営、犯罪の決定、手続き及びこれに適用される刑罰に関する規則は、組織法によって定めるものとする。
第141条 共和国司法院は、非常設の特別裁判所である。
共和国副大統領、政府副大統領、憲法機関の長官及び副長官、大臣、上級裁判所長官並びに憲法院裁判官に対して、その職務の執行中又はこれに関して行われた行為で、実行時に犯罪又は軽罪に分類されたものを裁判する。また、国家安全保障を損なう場合は、その従犯及び共同正犯として裁判される。
宣誓に違反した場合は、共和国司法院に報告する義務がある。
第2項に規定する者は、失職した場合、共和国司法院の管轄外となり、普通裁判所において、その職務の執行中又はこれに関する行為について責任を追及されるものとする。
ただし、前述の者が関与する訴訟がすでに共和国司法院に係属中である時に失職した場合、最終判決が下されるまで、当該事件は同院に係属するものとする。
第142条 共和国司法院は、13人の裁判官によって構成される。その内訳は、裁判官最高会議が任命する刑事部の上級裁判官7名、議会が選出する議会議員6名とする。議会議員は、国民議会が3名、元老院が3名で、議会会派の人数に比例して配分される。
共和国司法院の院長及び副院長は、第1項の裁判官の中から、この機関の全ての構成員によって選出される。
共和国大統領、国民議会及び元老院の議長並びに検事総長は、職権で、又は前述の第144条に規定する者が職務を執行する際に行った犯罪若しくは軽罪によって不利益を被った者の付託により、当該事件を共和国司法院に付託することができる。
第143条 共和国司法院は、犯罪及び軽罪の定義並びに実行時の法律による刑罰の決定に拘束される。
第144条 共和国司法院の運営及びその手続きに関する規則は、組織法によって定めるものとする。
第145条 その他の特別裁判所もまた、法律によって設置される非常設の機関である。
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