令和6年度第2回高認国語問4【漢文】
1 原文(書き下し文)
晋の公子重耳、出亡して曹に過るも礼無し。釐負羈の妻、釐負羈に謂ひて曰はく、
「君晋の公子に礼無し。
吾その従者を観るに、皆賢人なり。
若し以て夫子を相けて晋国に反らば、必ず曹を伐たん。
子、何ぞ先づ徳を加へざる」と。
釐負羈、これに壺餕を遺り、而して璧を加へり。
重耳その餕を受け、その璧を反す。
その国に反るに及んで、師を起し曹を伐ちてこれに尅つ。
三軍に令して、釐負羈の里に入ること無からしむ。
(『淮南子』より)
2 現代語訳
晋の公子重耳が出亡して、曹を通過したが礼遇されなかった。釐負羈の妻は、釐負羈に次のように言った。
「君主様は晋の公子を礼遇しなかった。
私はその従者を見ましたが、皆賢人でした。
もし彼らがあの方を助けて晋国に帰還すれば、必ず曹を討伐するでしょう。
あなた、先に恩恵を与えておくべきです」と。
釐負羈は彼に壺に入れた食物を与え、さらに宝玉を与えた。
重耳はその食物を受け取り、宝玉は返還した。
(やがて晋)国に帰還すると、挙兵して曹に攻め込みこれを討伐した。
(重耳は)全軍に命令を下して、釐負羈の村に入ることを禁止した。
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