99%の凡人は天才になれないことを悟った後に、人生に何を見出すのだろうか。
1 社会科学者の仕事
経済学者の仕事の真髄は、パンフレットを書くことだそうだ。・パンフレットとしての『一般理論』(池田信夫 blog)
・経済学者の本業は「パンフレット」を書くことである 池田信夫(アゴラ)
在野の天才と呼ばれた小室直樹先生も、アカデミズムでの業績もすごいのだけれど、一般の大衆向けに分かりやすい本を書いている。
・小室直樹のおすすめ本5選!多くの著書を発表した天才であり変人の学者(ホンシェルジュ)
2 99%は普通の人々
NHKスペシャルで資本主義をテーマに最近の潮流を紹介していたけれど、起業したりするような特別な才能を持たない普通の人々は、AIによって仕事を失ってしまう未来においてどう生きればよいのかという主旨の話をしていた。・マネー・ワールド~資本主義の未来~第2集 仕事がなくなる!?(NHKスペシャル)
その一つの解がベーシックインカムなのだろうけれど、凡人が天才になれないことを悟った後にどう生きればよいかというのは、AIやベーシックインカムなどの最近の潮流に限らない、普遍的なテーマなのだと思う。
僕はどんなに頑張っても小室直樹先生のような学者にはなれないだろうし、学問や起業に限らず、どのような世界でも才能が開花する天才は1%の存在だろう。
そもそも天才の定義がそうなのだから仕方がない、1%の存在だからこそ天才だと扱われるのだから。
この問題は天才自身さえ逃れることのできないテーマだろう。
どんなに活躍した一流のアスリートも、年齢による衰え等によりいつかは引退し、第二の人生を模索しなければならなくなる。
3 何者にもなれないという感情
何者にもなれないことに焦燥感を抱いていた時期が僕にもあったのだけれど、そういう感情もアラフォーになる頃には大分落ち着いてきた。しかし、たまにそういう感情の残滓がよみがえることもある。
これは世の中の結構多くの人が抱えている、普遍的な問題のようである。
・「きっと何者にもなれない時代」の平凡と「あらかじめ何者かが強制された時代」の平凡(シロクマの屑籠)
4 「いのちは闇の中のまたたく光だ!!」
何者にもなれないという問題とは別のところで、数年前、僕は虚無と戦っていたのだけれど、下記の記事がナウシカを題材に分かりやすく解説しているように、正に能動的ニヒリズムにたどり着いてようやく自分の気持ちを整理することができた。・漫画版「風の谷のナウシカ」のラストについて(情報学ブログ)
最終的な結論部分でナウシカの話を引用することになるとは、結論を深く考えることなくこの記事を書き始めた僕自身、思いもよらなかったけれど、これが哲学的に最も簡潔な結論なのかもしれない。
5 Journey is the reward
自分の人生をどう生きようが、本来自由なのだけれど、長く生きれば生きるほどいろいろなしがらみにとらわれることになる。それは社会の常識であったり、時には自分自身の常識であったりする。
そういうものに足を引っ張られながら、自由に思考することによって、僕は今もそういうものと格闘している。
・「何をやっても自分は平均点くらい」と気づいてしまった人は、次どういう仕事をすればいいのか。(Books&Apps)