反比例と対称。

1 反比例と点対称

 中1の問題集に「反比例のグラフは原点に対して対称」と書いてあった。
これについてまず確認してみたい。

対応する点の座標をそれぞれ$(x_1, y_1), (x_2, y_2)$とする。

$x_1 = s$とおくと、反比例の式$y = \dfrac{a}{x}$より、対応する点の座標はそれぞれ$(s, \dfrac{a}{s}), (-s, -\dfrac{a}{s})$となる。

よって、$x_2 = -x_1, y_2 = -y_1$である。

2 反比例と線対称

 反比例のグラフは線対称でもあることを確認してみたい。

反比例の式を$y = \dfrac{a}{x}$とすると、対称の軸$y = x$(または$y = -x$)と垂直な直線$y = -x + b$(または$y = x + b$)と、反比例のグラフの二交点の中点が対象の軸上にあるはずである。

(1)対象の軸が$y = x$の場合

$\dfrac{a}{x} = -x + b$

$x^2 - bx + a = 0$

$x = \dfrac{b \pm\sqrt{b^2 - 4a}}{2}$

$y = \dfrac{b \mp\sqrt{b^2 + 4a}}{2}$

よって、中点の座標は$\left( \dfrac{b}{2}, \dfrac{b}{2} \right)$となり、これは対処の軸$y = x$上にある。

(2)対象の軸が$y = -x$の場合

$\dfrac{a}{x} = x + b$

$x^2 + bx - a = 0$

$x = \dfrac{-b \pm\sqrt{b^2 + 4a}}{2}$

$y = \dfrac{b \pm\sqrt{b^2 + 4a}}{2}$

よって、中点の座標は$\left( -\dfrac{b}{2}, \dfrac{b}{2} \right)$となり、これは対処の軸$y = -x$上にある。

3 対称性

 そもそも対称とは何かと考えると、高校数学までで学ぶ線対称点対称一般化まで考えることができる。
そこからさらに進むと高校数学の範囲を越えると思うので、今回はここまでとしたい。

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