第60条【土地政策の原則】、第61条【土地の分類】、第62条【公有地】
第５章【土地及び環境】
第１部【土地】
第60条 ケニアの土地は、公平で、効率的、生産的及び持続可能な方法で、以下の原則に従って、保有、使用及び管理されるものとする。
（a）土地への公平なアクセス。
（b）土地の権利の保障。
（c）土地資源の持続可能で生産的な管理。
（d）透明で費用対効果の高い土地の運営。
（e）生態系が影響を受けやすい地域の健全な保全及び保護。
（f）土地及び土地所有に関する法律、慣習及び慣行における男女差別の撤廃。
（g）この憲法に従って、地域コミュニティの承認されたイニシアティブによって土地紛争を解決することをコミュニティに促すこと。
２ これらの原則は、国家政府によって作成され定期的に見直される国土政策及び法律によって、実施されるものとする。
第61条 ケニアのすべての土地は、国家、コミュニティ及び個人として、ケニアの国民に属する。
２ ケニアの土地は、公有地、コミュニティ有地又は私有地に分類される。
第62条 公有地は、以下のとおりである。
（a）発効日時点で有効な議会の法律により規定された、発効日において未譲渡の政府所有地であった土地。
（b）国家機関が私的な賃貸借により借主として占有する土地以外の、国家機関が適法に保有、使用又は占有する土地。
（c）売却、返還又は引渡しによって国家に移転された土地。
（d）個人又はコミュニティの所有権が法的手続きによって設定されていない土地。
（e）いかなる法的手続きによっても相続人を特定できない土地。
（f）法律で規定されたすべての鉱物及び鉱油。
（g）第63条第２項（d）（i）が適用される森林以外の政府所有の森林、野生生物保護区、集水域、国立公園、動物保護区及び特別保護区。
（h）議会の法律で定められたすべての道路及び幹線道路。
（i）すべての河川、湖沼及びその他の水域で、議会の法律によって規定されるもの。
（j）領海、排他的経済水域及び海底面。
（k）大陸棚。
（l）高潮線と低潮線の間のすべての土地。
（m）この憲法において私有地又はコミュニティー有地に分類されないあらゆる土地。
（n）以下の議会の法律により、公有地と宣言されたその他の土地。
（i）発効日に有効な法律。
（ii）発効日以降に制定された法律。
２ 公有地は、当該カウンティに居住する住民の信託によって、カウンティ政府に帰属及び保有されるものとし、以下のように分類される場合、国土委員会が代行管理するものとする。
（a）第１項（a）、（c）、（d）又は（e）。
（b）国家機関が所有、使用又は占有する土地以外の、第１項（b）の土地。
３ 第１項（f）から（m）に分類される公有地は、ケニア国民の信託によって国家政府に帰属及び保有されるものとし、国土委員会が代行管理するものとする。
４ 公有地は、処分又は使用の性質及び条件を明示する議会の法律によらなければ、処分又はその他の目的で使用してはならない。