第107条【大統領の罷免】、第108条【副大統領】、第108A条【首相】、第109条【大統領職の空位】
第7章【行政府】
【大統領】
第107条 大統領は、以下の事由により、本条の規定に従って罷免されることがある。
(a)職権濫用、又は忠誠の誓い、大統領の宣誓若しくはこの憲法の規定に故意に違反した場合。
(b)以下の不正行為又は不品行。
(i)大統領の役職に憎悪、嘲り、軽蔑若しくは不名誉をもたらす可能性のある態様の行為。
(ii)ウガンダの経済又は安全保障を害する不誠実な行為又は不作為。
(c)身体的又は精神的な不能により職務を執行することができない場合。
2 本条第1項(a)又は(b)に基づく大統領の罷免のためには、総議員の3分の1以上が署名した、以下の内容の書面を議長に提出しなければならない。
(a)大統領が以下の行為を行ったとして、議会による大統領の罷免の決議のための動議を提出する意思を表明すること。
(i)本条第1項(a)の規定に照らし、故意に職権を濫用し、又は故意に忠誠の誓い、大統領の宣誓若しくはこの憲法のその他の規定に違反したこと。
(ii)本条第1項(b)に照らし、自ら不正を行い、又は不品行な行為をしたこと。
(b)大統領の罷免のためにその行為を調査するよう求める必要文書に裏付けられた、告発の詳細が記載されていること。
3 議長は、本条第2項の通知を受け取ってから24時間以内に、その写しを大統領及び最高裁判所長官に送付しなければならない。
4 最高裁判所長官は、本条第3項の規定により送付された通知を受け取ってから7日以内に、最高裁判所の3名の裁判官で構成される裁判を設置して、通知の申立てを調査し、大統領の罷免のための疎明があるか否かの所見を議会に報告するものとする。
5 大統領は裁判の手続きに出頭し、弁護士若しくはその他の専門家又は自ら選任した者に代理される権利を有する。
6 本条第1項(a)又は(b)に基づく大統領の罷免の疎明があると裁判が判断した場合、議会が総議員の3分の2以上の賛成によって決議を可決したときは、大統領はその職を終了する。
7 第1項(c)に基づき身体的又は精神的な不能を理由として大統領を罷免するためには、総議員の3分の1以上が署名した、以下の内容の書面を議長に提出しなければならない。
(a)身体的又は精神的な不能を理由に、議会による大統領の罷免の決議のための動議を提出する意思を表明すること。
(b)その無能力の詳細が記載されていること。
8 議長は、本条第7項の規定による通知を受け取ってから24時間以内に、その写しを大統領及び最高裁判所長官に送付しなければならない。
9 最高裁判所長官は、本条第8項の規定により送付された通知を受け取ってから7日以内に、ウガンダ医療サービスの専門責任者と協議の上で、資格を有する卓越した医療専門家5名で構成される医療委員会を設置して、無能力の申立てに関して大統領を診察し、その所見を議会に報告するものとする。
10 最高裁判所長官は、医療委員会を設置してから24時間以内にその旨を大統領に通知し、大統領は、7日以内に医療委員会に出頭して診察を受けなければならない。
11 医療委員会が、大統領が身体的又は精神的な不能により大統領の職務を執行できないと診断した場合、議会が総議員の3分の2以上の賛成により大統領の罷免の決議を可決したときは、大統領はその職を終了する。
12 本条第10項の7日の期間経過後、医療委員会が、大統領が同項に基づく医療委員会への出頭を怠り、又は拒否したと報告した場合、議会が総議員の3分の2以上の賛成により大統領の罷免の決議を可決したときは、大統領はその職を終了する。
13 大統領の罷免決議の動議は、裁判又は医療委員会の報告書を議長が受け取ってから14日以内に、議会に提出されなければならない。
14 大統領は、本条に基づく決議の動議に関する議会の手続きにおいて、自ら出頭し、審問を受け、弁護士若しくはその他の専門家又は自ら選任した者の支援を受け、代理される権利を有する。
第108条 ウガンダに、副大統領を置く。
2 大統領は、議会の単純多数決による同意を得て、副大統領を任命する。
3 副大統領は、以下の事項を行う。
(a)必要に応じて、大統領を代理すること。
(b)大統領によって割り当てられた、又はこの憲法によって与えられたその他の職務を執行すること。
4 副大統領には、この憲法の第102条が定める大統領の資格要件が準用される。
5 副大統領職は、以下の場合に空位となる。
(a)大統領がその任命を取り消した場合。
(b)現職者が辞任又は死亡した場合。
6 副大統領には、この憲法の規定に従い、第106条が準用されるものとする。
7 副大統領職が空位となった場合、大統領は、議会の同意を得て可能な限り速やかに、いかなる場合にも14日以内に、副大統領職に就く資格を有する者を任命しなければならない。
8 副大統領は、その職務の執行に先立ち、この憲法の別表4に規定する忠誠の誓い及び副大統領の宣誓を行い、これに署名しなければならない。
第108A条 首相を置く。大統領が議会の同意を得て、議会議員又は議会議員になる資格を有する者から、単純多数決により任命するものとする。
2 首相は、以下の事項を行うものとする。
(a)議会における政府業務の指導者となり、省庁、部局及びその他の公的機関を横断する政府政策の調整及び実施に責任を負うこと。
(b)大統領により割り当てられ、又はこの憲法若しくは法律により付与されたその他の職務を執行すること。
3 首相は、その職務の執行に際し、大統領に対して個別に責任を負い、内閣の決定に対して集団的に責任を負うものとする。
4 首相職は、以下の場合に空位となる。
(a)大統領によって任命が取り消された場合。
(b)現職者が辞職又は死亡した場合。
(c)現職者が議会議員としての資格を喪失した場合。
5 首相は、その職務を執行するに先立ち、この憲法の別表4に規定する忠誠の誓い及び首相の宣誓を行い、これに署名しなければならない。
6 第108条第6項は、副大統領に適用されるのと同様に、必要な修正を加えて首相にも適用されるものとする。
第108A条 首相を置く。大統領が議会の同意を得て、議会議員又は議会議員になる資格を有する者から、単純多数決により任命するものとする。
2 首相は、以下の事項を行うものとする。
(a)議会における政府業務の指導者となり、省庁、部局及びその他の公的機関を横断する政府政策の調整及び実施に責任を負うこと。
(b)大統領により割り当てられ、又はこの憲法若しくは法律により付与されたその他の職務を執行すること。
3 首相は、その職務の執行に際し、大統領に対して個別に責任を負い、内閣の決定に対して集団的に責任を負うものとする。
4 首相職は、以下の場合に空位となる。
(a)大統領によって任命が取り消された場合。
(b)現職者が辞職又は死亡した場合。
(c)現職者が議会議員としての資格を喪失した場合。
5 首相は、その職務を執行するに先立ち、この憲法の別表4に規定する忠誠の誓い及び首相の宣誓を行い、これに署名しなければならない。
6 第108条第6項は、副大統領に適用されるのと同様に、必要な修正を加えて首相にも適用されるものとする。
第109条 大統領が死亡、辞任又はこの憲法に基づき罷免された場合、副大統領は、新たに選挙が実施され、当選した大統領がこの憲法の第103条第8項に従って就任するまで、大統領職に就任するものとする。
2 本条に基づく大統領の選挙は、大統領の死亡、辞任又は罷免後6か月以内に実施されなければならない。
3 大統領の残存任期が1年以下の場合、本条に基づく選挙は実施しない。
4 大統領が何らかの理由でその職務を執行できない場合、副大統領は、大統領が再びその職務を執行できるようになるまで、その職務を執行するものとする。
5 大統領及び副大統領が共に大統領の職務を執行できない場合、議長は、大統領又は副大統領がその職務を執行できるようになるまで、又は新たな大統領が就任するまで、その職務を執行するものとする。
6 副大統領は、本条第1項の規定に基づき大統領の職務に就任する前に、議会の同意を得て、副大統領職に就任する者を任命しなければならない。
7 本条第6項の規定に基づき任命された者は、副大統領の職務に就任するに先立ち、その職務に関して、この憲法の第108条第7項に基づく宣誓を行い、これに署名しなければならない。
8 本条第5項の規定に基づき大統領の職務を執行するに先立ち、議長は、この憲法の別表4に規定する大統領の職務に関する宣誓を行い、これに署名しなければならない。
9 大統領及び副大統領の死亡、辞任又は罷免により、又はこの憲法の第104条第7項の規定に基づいて議長が大統領に就任した場合、本条第2項の規定に従って大統領選挙を実施するものとする。