国家目標及び国家政策の指導原則
国家目標及び国家政策の指導原則
総則
1 目標の実施
(i)以下の目標及び原則は、国家の全ての機関及び機構、全ての国民、組織並びにその他の団体及び個人が、憲法又はその他の法律を適用又は解釈し、公正で自由かつ民主的な社会の確立及び推進のためのあらゆる政策を決定及び実施する際の指針となるものである。
(ii)大統領は、これらの政策目標及び原則の実現を保障するために講じた全ての措置を、少なくとも年1回、議会及び国民に報告するものとする。
政治的目標
2 民主主義の原則
(i)国家は、全ての階層の市民が自らの統治に積極的に参加する権利を付与し、奨励する民主主義の原則に基礎を置く。
(ii)ウガンダの全ての国民は、憲法に従い、全ての階層において指導的地位に就く機会を有するものである。
(iii)国家は、地方分権の原則に基づき、政府の職務及び権限を、国民が自らの問題を最もよく管理及び指示することができる適切な階層へ委譲する。
(iv)政府の構成は、国家の国民性及び社会的多様性を幅広く代表するものでなければならない。
(v)公共の問題を管理及び指示しようとする全ての政治的及び市民的団体は、その内部の組織及び実務において、民主主義の原則に従わなければならない。
(vi)市民組織は、宣言した目標を追求するために、その自治権を保持するものとする。
3 国家の統一及び安定
(i)ウガンダの全ての国家機関及び国民は、国家の統一、平和及び安定の促進に向けて努力しなければならない。
(ii)ウガンダの全ての国民を統合するためにあらゆる努力をすると同時に、その民族的、宗教的、思想的、政治的及び文化的多様性の存在を認めなければならない。
(iii)協力、理解、感謝、寛容並びに互いの慣習、伝統及び信条を尊重する文化を振興するために、あらゆることを行うものとする。
(iv)紛争を公正かつ平和的に解決するための機関及び手続きを整備及び発展させるものとする。
(v)国家は、経済発展のために必要な平和で安全かつ安定した政治環境を整備するものとする。
4 国家主権、独立及び領域保全
(i)ウガンダの国家及び市民は、常にウガンダの独立、主権及び領域を防衛しなければならない。
(ii)ウガンダの国家及び市民は、他国及び他機関への不適正な依存を避けるため、政治、経済及び社会の各分野において国力の増強に努めなければならない。
(iii)国家は、ウガンダの発展のための独立した持続可能な基盤を構築するために、ウガンダ国民を動員、組織化し、権利を付与するよう努めるものとする。
基本的人権並びにその他の人権及び自由の擁護及び推進
5 基本的人権並びにその他の人権及び自由
(i)国家は、人権を擁護及び推進する責任を負う機関に対し、効果的に職務を遂行するために十分な資源を提供することにより、これを保障及び尊重するものとする。
(ii)国家は、人権を擁護及び推進する非政府組織の独立性を保障及び尊重するものとする。
6 ジェンダーバランス及び社会から疎外された集団の公正な代表
国家は、全ての憲法上及びその他の団体において、ジェンダーバランス及び社会から疎外された集団の公正な代表を保障するものとする。
7 高齢者の保護
国家は、高齢者の福祉及び養護のために相当の措置を講じなければならない。
8 政府機関への適切な資源の供給
政府の種々の機関及び組織における憲法に規定された権限及び職務の配分並びに抑制及び均衡は、全ての階層においてそれらが効果的に職務を遂行するための適切な資源の供給によって支持されるものとする。
9 開発の権利
国家は、迅速かつ公平な開発を促進するため、民間の主導及び自立を奨励するものとする。
10 開発における国民の役割
国家は、国民に影響を及ぼす開発計画及びプログラムの策定及び実施に、国民を関与させるために必要なあらゆる措置を講じるものとする。
11 開発における国家の役割
(i)国家は、開発における機会均等に対する国民の権利を、保護及び増進する措置を定める法律の制定を最も優先させるものとする。
(ii)国家は適切な政策を採用し、法律を制定することによって、農業、工業、技術及び科学の発展を活性化するものとする。
(iii)国家は社会正義を推進するため、憲法に従って、土地及びその他の財産の取得、所有、使用及び処分を規制することができる。
12 均衡ある公平な開発
(i)国家は、総合的かつ協調的な計画手法を採用するものとする。
(ii)国家は、ウガンダの異なる地域及び農村と都市との間の均衡ある発展を実現するために、必要な措置を講じるものとする。
(iii)国家は、発展が遅れている地域の開発に有利な特別の措置を講じるものとする。
13 天然資源の保護
国家は、ウガンダ国民のために、土地、水、湿地、鉱物、石油、動物相及び植物相を含む、重要な天然資源を保護するものとする。
社会的及び経済的目標
14 一般的な社会的及び経済的目標
国家は、社会正義及び経済発展に対する全てのウガンダ国民の基本的権利を実現するよう努め、特に、以下の事項を保障するものとする。
(a)全ての開発努力が、国民の社会的及び文化的幸福を最大限に保障するために向けられること。
(b)全てのウガンダ国民が、教育、医療、清潔で安全な水、仕事、適切な住居、適切な衣服、食糧の保障、年金及び退職手当を得られる権利及び機会の享受。
15 社会における女性の役割の認知
国家は、女性が社会で果たす重要な役割を認めなければならない。
16 障害者の尊厳の認知
社会及び国家は、障害者が尊重され、人間としての尊厳を持つ権利を有することを認めなければならない。
17 レクリエーション及びスポーツ
国家は、ウガンダ市民のためにレクリエーション及びスポーツを振興するものとする。
18 教育の目標
(i)国家は、無償かつ義務的な基礎教育を普及させる。
(ii)国家は、全ての市民に可能な限り高い教育水準を達成する平等な機会を提供するために、適正な措置を講じるものとする。
(iii)個人、宗教団体及びその他の非政府組織は、国家の一般的な教育政策に準拠し、国家の基準を保持する場合には、自由に教育機関を設立及び運営することができるものとする。
19 家族の保護
家族は社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国家によって保護される権利を有する。
20 医療サービス
国家は、住民に対する基本的な医療サービスの提供を保障するため、あらゆる実務的な措置を講じるものとする。
21 清潔で安全な水
国家は、全ての階層における良好な水管理体制を普及させるため、あらゆる実務的な措置を講じるものとする。
22 食糧の保障及び栄養
国家は、
(a)国民が十分な食糧を栽培及び貯蔵することを奨励するため、適切な措置を講じるものとする。
(b)国家の食糧備蓄を構築するものとする。
(c)健全な国家を建設するために、大衆教育及びその他の適切な方法により、適正な栄養の摂取を奨励及び促進するものとする。
23 自然災害
国家は、自然災害から生じる危険若しくは被害、又は国民の一般的な避難若しくは通常の生活の深刻な崩壊を引き起こす状況に対処するため、効果的な機構を整備するものとする。
文化的目標
24 文化的目標
基本的権利及び自由、人間の尊厳、民主主義並びに憲法に適合する文化的及び慣習的価値は、ウガンダの生活の側面において発展させ、取り入れることができる。
国家は、
(a)ウガンダ国民の尊厳及び幸福を増進する文化的価値及び慣習を振興及び保全するものとする。
(b)全てのウガンダの言語の発展、保存及び充実を奨励するものとする。
(c)聴覚障害者のための手話の発展を促進するものとする。
(d)国家は、国語又は諸言語の発達を奨励するものとする。
25 公共財及び遺産の保全
国家及び市民は、公共財及びウガンダの遺産の保全及び保護に努め、一般にその文化を普及させるものとする。
説明責任
26 説明責任
(i)全ての公職は、国民の信託に基づくものである。
(ii)全ての指導的地位にある者は、その職務において国民に対して責任を負うものとする。
(iii)政治的及びその他の公的職務に従事する者による、汚職並びに権力の濫用及び悪用を摘発し、これと闘い、根絶するために、あらゆる合法的な措置を講じなければならない。
環境
27 環境
(i)国家は持続可能な開発を促進し、現在及び将来の世代のために、土地、大気及び水資源を均衡ある持続可能な方法で管理する必要性について、国民の認識を普及するものとする。
(ii)ウガンダの天然資源の利用は、現在及び将来の世代のウガンダ国民の開発及び環境の必要性を満たすような方法で管理されるものとする。特に、国家は、汚染その他の原因によって生じる土地、大気及び水資源に対する損害及び破壊を防止又は最小化するために、あらゆる可能な措置を講じなければならない。
(iii)国家は、国民の基本的需要及び環境保全の要求が充足されるようなエネルギー政策を推進及び実施するものとする。
(iv)地方政府を含む国家は、
(a)公園、保護区及び保養地を創設及び開発し、天然資源の保護を保障するものとする。
(b)ウガンダの生物多様性を保護するため、天然資源の合理的な利用を促進しなければならない。
外交政策の目標
28 外交政策の目標
(i)ウガンダの外交政策は、以下の原則に基づくものである。
(a)ウガンダの国益の促進。
(b)国際法及び条約上の義務の尊重。
(c)平和的共存及び非同盟。
(d)平和的手段による国際紛争の解決。
(e)あらゆる形態の支配、人種差別並びにその他の抑圧及び搾取への反対。
(ii)ウガンダは、平和並びに人類の福祉及び進歩のための、国際的及び地域的機関に積極的に参加するものとする。
(iii)国家は、地域的及び汎アフリカ的な文化、経済及び政治的協力並びに統合を推進するものとする。
市民の義務
29 市民の義務
権利及び自由の行使及び享受は、義務及び責務の遂行と不可分である。従って、全ての国民は、以下の義務を負うものとする。
(a)ウガンダに対する愛国心及び忠誠心を持ち、ウガンダの幸福を増進すること。
(b)市民、家族及び公共の利益のために有益な仕事に従事し、国家の発展に貢献すること。
(c)居住するコミュニティの福祉に貢献すること。
(d)責任ある子育てを推進すること。
(e)国民統合を醸成し、他者と調和して生活すること。
(f)民主主義及び法の支配を推進すること。
(g)憲法の規定を理解し、憲法及び法律を擁護すること。