第15条【人間の尊厳の尊重】、第16条【奴隷及び強制労働からの保護】、第17条【平等及び差別からの自由】
第5章【基本的人権及び自由】
第1節【総則】
第15条 全ての人の尊厳は、不可侵である。
2 何人も、逮捕、拘束又は抑留されているか否かにかかわらず、以下の行為を受けることはない。
(a)拷問又はその他の残酷、非人道的若しくは品位を損なう処遇若しくは刑罰。
(b)その他、人間としての尊厳及び価値を損なう、又は損なう恐れのある状態。
3 刑事犯罪で有罪判決を受けたことのない者は、有罪判決を受けた者として処遇されず、有罪判決を受けた者とは別に留置されなければならない。
4 適法に拘束又は抑留されている少年犯罪者は、成年の犯罪者とは別に留置されるものとする。
第16条 何人も、奴隷又は隷属させられてはならない。
2 何人も、強制労働に従事させられてはならない。
3 本条において「強制労働」は、以下の事項を含まない。
(a)裁判所の判決又は命令の結果として求められる労働。
(b)規律ある軍隊又は役務の構成員がその責務として求められる労働、又はガーナ軍の兵役を良心的に拒否する者に対し、兵役の代わりに法律で要求される労働。
(c)ガーナが戦争中である期間、又はコミュニティの生命及び福利を脅かす緊急事態又は災難が発生した場合に求められる労働。ただし、その期間中に発生又は存在する状況に対処する目的で、そのような労働の要求が、その状況において合理的に正当化される範囲に限るものとする。
(d)通常のコミュニティ又はその他の市民的義務の一部として、合理的に求められるあらゆる労働。
第17条 全ての人は、法の下に平等である。
2 人は、性別、人種、皮膚の色、民族的出身、宗教、信条又は社会的若しくは経済的地位を理由として、差別されることはない。
3 本条において「差別」とは、主として、人種、出身地、政治的意見、皮膚の色、性別、職業、宗教又は信条に起因して、ある者が他の者に課されない制約を受け、又は他の者に認められない特権若しくは利益を付与されて、異なる処遇を受けることを意味する。
4 本条は、議会が合理的に必要とされる、以下の法律を制定することを妨げるものではない。
(a)ガーナ社会における社会的、経済的又は教育的不均衡を是正することを目的とする、政策及びプログラムの実施のための法律。
(b)養子縁組、婚姻、離婚、埋葬、死亡時の財産の帰属、又はその他の身分法に関する事項のための法律。
(c)ガーナ市民でない者による土地の取得に制限を課する法律、ガーナ市民でない者の政治的及び経済的活動に制限を課する法律、並びにガーナ市民でない者に関するその他の事項についての法律。
(d)この憲法の精神に反しない範囲で、各コミュニティの特別な環境に配慮して、コミュニティ毎に異なる規定を設ける法律。
5 本章のいかなる規定によっても、本条に反する行為が許容されると解してはならない。