第57条【ガーナ大統領】、第58条【ガーナの行政権】、第59条【ガーナからの出国】
第8章【行政府】
第1節【大統領】
第57条 ガーナ共和国に大統領を置く。大統領は、国家元首、政府の長及びガーナ軍の最高司令官とする。2 大統領は、ガーナにおけるその他の全ての者に優越し、次に、副大統領、議会議長、最高裁判所長官の順に、優越するものとする。
3 大統領はその就任に先立ち、議会において、この憲法の別表2に規定する忠誠の誓い及び大統領の宣誓を行い、これに署名するものとする。
4 この憲法の第2条の規定を損なうことなく、大権令状の運用に従い、大統領は在任中、その職務の執行について、又はその職務の執行の際の、この憲法若しくはその他の法律の規定に基づく行為若しくは不作為、若しくは行ったと称する行為について、裁判所において訴訟の責任を負わないものとする。
5 大統領は在任中、裁判所における民事又は刑事訴訟の責任を個人的に負うことはないものとする。
6 民事又は刑事訴訟は、その者が大統領を退任した後3年以内に、その任期前又は任期中に個人の資格で行った行為又は不作為に関し、期間の制限にかかわらず、その者に対して提起することができる。ただし、大統領に就任する前から訴訟手続が法的に不可能であった場合は、この限りでない。
第58条 ガーナの行政権は大統領に帰属し、この憲法の規定に従い、行使されるものとする。
2 ガーナの行政権は、この憲法及びこの憲法に基づいて制定され又は効力を有する全ての法律の、執行及び維持に及ぶものとする。
3 この憲法の規定に従い、本条第1項により大統領に与えられた職務は、大統領が直接又は大統領に従属する行政官を通して、行使することができる。
4 この憲法又はこの憲法に抵触しない法律に別段の定めのある場合を除いて、政府の全ての行政行為は、大統領の名において行われることを明示するものとする。
5 大統領の名において作成、発行又は執行された憲法上若しくは法令上の文書又はその他の文書は、大臣の署名により認証される。認証された文書の効力について、それが大統領により作成、発行又は執行されなかったことを理由として、異議を申し立てることはできないものとする。
第59条 大統領は、議会議長への署名入りの書面による事前の通知なしに、ガーナから出国してはならない。
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