第89条【国務会議】、第90条【国務会議による法案の審議】、第91条【会議のその他の職務】
第9章【国務会議】
第89条 大統領の職務の執行に関する諮問に応じるため、国務会議を設置するものとする。2 国務会議は、以下の者により構成されるものとする。
(a)議会と協議した上で、大統領が任命する以下の者。
(i)最高裁判所長官の職にあった者1名。
(ii)ガーナ軍の統合参謀総長の職にあった者1名。
(iii)警察総監の職にあった者1名。
(b)全国首長会議の議長。
(c)ガーナの各州からの代表者1名。この憲法の第51条に基づき選挙委員会が制定する規則に従い、州の各郡議会により指名される、その州の各郡からの代表者により構成される選挙人団によって選出されるものとする。
(d)大統領により任命される、その他の議員11名。
3 国務会議は、その議員の互選により、議長を選出するものとする。
4 国務会議の議員は、その出席する最初の国務会議の会議において、この憲法の別表2に規定する機密保持の宣誓及び国務会議の議員の宣誓を行い、これに署名するものとする。
5 国務会議の議員は、以下の場合を除いて、大統領の任期が終了するまで在任するものとする。
(a)その議員が、大統領への署名入りの書面により辞任した場合。
(b)永続的に無能力となった場合。
(c)解任され、又は死亡した場合。
6 国務会議の議員の任命は、不品行又は身体的若しくは精神的な不調に起因する職務の執行不能を理由として、大統領が、議会の事前の承認を得て、終了させることができる。
7 国務会議の議長及び議員は、この憲法の第71条の規定に従って決定される、手当及び特権を受ける権利を有するものとする。
8 国務会議の議長及びその他の議員の手当及び特権は、統合基金の負担とし、その在任中、不利益に変更してはならない。
第90条 官報に掲載され、又は議会により可決された法案は、大統領の要請があれば、国務会議によって審議されるものとする。
2 大統領の法案審議の要請には、大統領が国務会議において審議することを提案する、修正又は変更を記述する文章を添付することができる。
3 本条第1項の規定に基づく法案の審議は、その法案の議会における第3読会後30日以内に終了するものとする。ただし、法案が緊急事態の認定に基づいて可決された場合、国務会議は、72時間以内に審議し、大統領に報告しなければならない。
4 国務会議が法案の修正を提案しないことを決定した場合、議長は、その決定後7日以内に、その旨の証書を添付して、法案を大統領に送付するものとする。
5 国務会議が法案の修正を提案することを決定した場合、その法案は、国務会議の審議終了後15日以内に、その法案について提案された修正を記述する覚書と共に、議長から大統領に送付されるものとする。
第91条 国務会議は、この憲法又はその他の法律により、国務会議の助言に従って、又は国務会議と協議した上で行わなければならない任命について、大統領又はその他の機関に対し、審議及び助言するものとする。
2 本条第1項の助言は、大統領又はその他の機関からの要請を受け取ってから30日以内に行うものとする。
3 国務会議は、要請により、又は独自の判断により、大統領、国務大臣、議会又はこの憲法により設置されるその他の機関によって審議又は処理される事項について、審議及び勧告することができる。ただし、大統領、国務大臣、議会又はその他の機関は、本項に基づき国務会議が行った勧告に従うことを要しないものとする。
4 国務会議は、この憲法又はこの憲法に抵触しないその他の法律により割り当てられる、その他の職務を執行するものとする。
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