第93条【ガーナ議会】、第94条【資格及び要件】、第95条【議長】
第10章【立法府】
第1節【議会の構成】
第93条 ガーナ議会を設置する。議会は、140人以上の選挙された議員によって構成されるものとする。2 この憲法の規定に従い、ガーナの立法権は議会に帰属し、この憲法の規定に従って行使されるものとする。
第94条 本条の規定に従い、以下の条件を満たさない者は、議会議員となる資格を有しないものとする。
(a)ガーナ市民であり、21歳に達し、有権者登録をしていること。
(b)議会議員の選挙に立候補する選挙区の住民であるか、立候補する選挙の直前の10年間のうち合計5年以上居住していたか、又はその選挙区の出身であること。
(c)税金を全て支払っているか、又は税金の支払いについて適正な機関が認める手続きを行っていること。
2 以下の者は、議会議員になる資格を有しないものとする。
(a)ガーナ以外の国家に忠誠を誓っている者。
(b)以下の判決又は宣告を受けていること。
(i)ガーナの有効な法律に基づいて破産を宣告され、免責されていない者。
(ii)ガーナの有効な法律に基づいて心神喪失者と宣告され、又は犯罪性精神異常者として抑留されている者。
(c)以下の有罪判決を受けたことがある者。
(i)この憲法に基づく重大な犯罪、重大な反逆罪、反逆罪、又は国家の安全保障、詐欺、不正行為若しくは不道徳な行為にかかわる犯罪。
(ii)死刑又は10年以上の刑に処せられる、その他の犯罪。
(d)委員会若しくは調査委員会の報告により、公職に就く能力を有しないと判定された者、又は委員会若しくは調査委員会により、公務員である間に不法に資産を取得し、国家を欺き、職権を濫用し、若しくは故意に国益を損なう行為をしたと判定された者で、上訴若しくは司法審査によってその判定を取り消されていない者。
(e)裁判所により、死刑又はその他の収監刑を宣告されている者。
(f)公職選挙に関する法律に基づき、有権者として登録される資格を有しない者。
(g)その他、この憲法の施行時に有効な、この憲法の規定に抵触しない法律によって資格を喪失している者。
3 以下の者は、議会議員になる権利を有しないものとする。
(a)ガーナの有効な法律により、選挙の実施又は有権者名簿の作成若しくは更新にかかわる職務に就いていることを理由に、選挙に立候補することを禁止されている者。
(b)警察庁、刑務所、軍隊、司法機関、法務局、市民局、会計検査局、議会事務局、統計局、消防署、関税、物品税及び防疫庁、入国管理庁並びに内国歳入庁の職員である者。
(c)首長
4 本条第2項(d)を適用する上で、司法又は準司法的な調査委員会又は委員会ではない、委員会又は調査委員会による判定について、その判定に対する上訴又は司法審査を損なうことなく、政府白書により認定されない限り、その者の資格を喪失させる効果を有しないものとする。
5 以下の場合には、本条第2項(c)又は(d)の規定に基づき、議会議員の資格を喪失しないものとする。
(a)刑期が終了した日又は調査委員会若しくは委員会の報告が公表された日から、10年以上経過している場合。
(b)恩赦を受けた場合。
第95条 議会に議長を置く。議会議員又は議会議員になる資格を有する者から、議会議員により選出されるものとする。
2 以下の場合、議長は辞任するものとする。
(a)国務大臣又は副大臣になった場合。
(b)議会書記官への署名入りの書面により、辞任した場合。
(c)議会議員として選挙される資格を喪失するような状況が生じた場合。
(d)総議員の4分の3以上の賛成による議会の決議により、解任された場合。
3 議会において議長職が空位である場合、議長の選出以外の議事を行うことはできない。
4 議長に選出された者は、その就任に先立ち、議会において、この憲法の別表2に規定する忠誠の誓い及び議長の宣誓を行い、これに署名するものとする。
5 議長は、この憲法の第71条の規定に従って決定される、報酬及び手当並びに退職手当を受けるものとする。
6 議長に支払う報酬及び手当並びに退職手当は、統合基金の負担とする。
7 議長に支払う報酬及びその他の手当は、その在任中、不利益に変更してはならない。
・ガーナ共和国憲法(1992)【私訳】へ戻る。