R2年度第1回高認化学基礎大問5解説
大問5【化学反応】
問1【塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和反応】
塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加えていくと、水溶液の酸性は次第に弱くなる。また、水酸化ナトリウム水溶液に塩酸を少しずつ加えていくと、水溶液の塩基性は次第に弱くなる。
このように、酸と塩基が互いの性質を打ち消し合うことを中和という。
たとえば、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の化学反応は、次のような化学反応式で表される。
$\mathrm{HCl + NaOH \longrightarrow NaCl + H_2 O}$
この反応で得られる塩の水溶液は中性である。
これは塩酸が強酸であり、水酸化ナトリウム水溶液が強塩基であるためである。
・酢酸$\mathrm{CH_3 COOH \longrightarrow CH_3 COO^- + H^+}$
酢酸は弱酸なので電離度を0.01とすると、$0.1 \times 0.01 = 0.001$mol/L
アンモニアは弱塩基なので電離度を0.01とすると、水酸化物イオン$\mathrm{OH^-}$の濃度は$0.1 \times 0.01 = 0.001$mol/L
水のイオン積を$\mathrm{[H^+][OH^-]} = 10^{-14}$とすると、
これは塩酸が強酸であり、水酸化ナトリウム水溶液が強塩基であるためである。
問2【水素イオン濃度】
次の物質を溶かした0.1mol/L水溶液の水素イオン($\mathrm{H^+}$)濃度は、・酢酸$\mathrm{CH_3 COOH \longrightarrow CH_3 COO^- + H^+}$
酢酸は弱酸なので電離度を0.01とすると、$0.1 \times 0.01 = 0.001$mol/L
・塩化水素$\mathrm{HCl \longrightarrow Cl^- + H^+}$(0.1mol/L)
・硫酸$\mathrm{H_2 SO_4 \longrightarrow {SO_4}^{2-} + 2H^+}$(0.2mol/L)
・アンモニア$\mathrm{NH_3 + H_2 O \longrightarrow {NH_4}^+ + OH^-}$アンモニアは弱塩基なので電離度を0.01とすると、水酸化物イオン$\mathrm{OH^-}$の濃度は$0.1 \times 0.01 = 0.001$mol/L
水のイオン積を$\mathrm{[H^+][OH^-]} = 10^{-14}$とすると、
$\mathrm{[H^+]} \cdot 0.001 = 10^{-14}$
$\mathrm{[H^+]} = 10^{-14} \times 1000 = 10^{-14} \times 10^3 = 10^{-11}$mol/L
・水酸化カリウム$\mathrm{KOH \longrightarrow K^+ + OH^-}$
水酸化物イオン$\mathrm{OH^-}$の濃度は0.1mol/L
水のイオン積を$\mathrm{[H^+][OH^-]} = 10^{-14}$とすると、
$\mathrm{[H^+]} \cdot 0.1 = 10^{-14}$
$\mathrm{[H^+]} = 10^{-14} \times 10 = 10^{-13}$mol/L
問3【酸化と還元】
問4【イオン化傾向】
3種類の固体の金属X、Y、Zを用いて次のア~ウの実験を行った。この実験結果からわかる金属X、Y、Zのイオン化傾向の大小を答えよ。
ア 硝酸銀($\mathrm{AgNO_3}$)水溶液に、金属X、Y、Zをそれぞれ入れたところ、金属Xと金属Yの表面に銀が析出したが、金属Zには析出しなかった。
イ 硫酸銅(II)($\mathrm{CuSO_4}$)水溶液に金属X、Y、Zをそれぞれ入れたところ、金属Xの表面に銅が析出したが、金属Yと金属Zには析出しなかった。
ウ 硫酸亜鉛($\mathrm{ZnSO_4}$)水溶液に、金属X、Y、Zをそれぞれ入れたところ、すべての金属で変化がなかった。